またまた「論座」の11月号で「フォーリン・アフェアーズ」論文ですが、ヒューマン・ライツ・ウォッチ のアジアディレクター、ブラッド・アダムスさんの「ネパールの大いなる危機・・・紛争のなかに取り残された民衆たち」というのがすごかった。全文注目に値するんだけど、全文は書けないし、まとめるにしても、重要な話ばっかりでまとまらない。なので、ほんとに短い要約だけ転載。 ネパール人の多くは、もうどうにもならないと感じている。毛沢東主義派に食料や隠れ家を提供することを拒むと「階級の敵」「反動分子」として処刑され、たとえ不本意であったとしても食料や隠れ家を提供すると今度はネパール国軍に毛沢東主義派との共謀の罪に問われる。国軍は、毛沢東主義派と、何とか生き延びようとしただけの民衆(同上)を区別できないし、区別しようとさえ試みない。いまやネパールは国家崩壊の瀬戸際まで追い込まれている。 ネパールのニュースはほとんど目に触れなかったし、モメてるくらいの認識しかなかったけど、細かい話を読むと酷いですねえ。すべての勢力がイッちゃってるみたい。 で、検索してみたら、こんなニュースがありました。 国王の直接統治打破へ合意 ネパール毛派と主要7政党 ついでに、英語のニュースを検索してみると、最近いろんな動きがあるようで、BBCの11月27日のニュースで、こんなのがありました。 BBC:Maoist rethink on Nepal monarchy (毛派、ネパール君主制について考え直す) この記事によると、毛派のリーダーが、↑の特別議会のために、外国の選挙監視団によってちゃんとモニターされた自由な選挙が行なわれるなら、とりあえず君主制が残ってもいいと言ってるそう。もちろん、共和制樹立が将来の目的だし、ネパールにおいて君主制がすべての問題の元凶だ、みたいなことは言いつづけてる。 けど、この記事によると、↑の反国王勢力の合意文書には、一度も「共和制」という言葉が使われてないそう。で、最近、毛派は国王をボロクソに言うのはやめてるそう。国王に言及するときに使うボキャブラリーが穏当になったそう。なかなか戦略的ですね。で、国王の方は特別議会のアイディアには反対。この記事によると、毛派の柔軟姿勢は国王が考え直すチャンスになるかもと。 ちなみに、他の記事によると、↑の反国王勢力の合意は、君主制廃止じゃなくて、国王の権力を憲法によってしっかり明記し縛ることを目指すとなっているそう。おまけに、国連事務総長のアナンさんもこの反国王勢力の動きを歓迎し、国王はちゃんとしろ、と声明を出したみたい。 Daily Times (of Pakistan) 11月25日 Annan hails deal between Nepal parties, Maoists Boston Grobe 11月24日 U.N. welcomes Nepal deal to end civil war (AP)
by mudaidesu
| 2005-11-28 03:36
| 世界
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