映画 「ザ・ロック」 


ちょっと前、マイケル・ベイの「ザ・ロック」をまたま観た。実はこの作品好き。僕の中では、90年代のアメリカ・アクション大作NO1が「ターミネーター2」。これはダントツ。他の追随をまったく許さない。で、NO2が「ザ・ロック」。





脱獄不可能の刑務所があったアルカトラズ島に、神経性毒ガスを奪ったテロリスト軍団が観光客を人質にしてたてこもった。タイム・リミットは40時間。FBIは化学兵器のスペシャリスト(ニコラス・ケイジ)と、33年前アルカトラズ島を脱獄したという男(ショーン・コネリー)を「ザ・ロック」と呼ばれる鉄壁の要塞へと送り込む。 ・・・エド・ハリスが、「テロを決行しなければならなかった」テロリストのリーダーとしての内面的葛藤を熱演してみせる。・・・(伊藤文恵) amazonから



↑の内容紹介文読むとつまらなそう。写真もダッセーし。でもおもしろい。「ザ・ロック」はストーリーもさることながら、細かい台詞とか「間」がすごくうまい。編集のタイミングが絶妙。次から次へとイケてる台詞がナイスなタイミングで出てくる。何度観ても飽きない。毎回、クスッとしてしまう。

この映画の音楽は有名だけど、この音楽、その後の映画音楽にすごい影響を与えてる。似たような曲があちこちで使われてる。「踊る大走査線」でも音楽真似してるでしょ。たしかに「ザ・ロック」の音楽はかっこいい。はずかしいくらいベタな音楽なんだけど。もちろん映像なしじゃ絶対に聴けない。映像なしで聴いたら身体のあちこちが痒くなるのは確実。

マイケル・ビーンがチョイ役で出てんだけど、イケてる。おまえはそういうのやらせたら最高だなと。役柄としては、「ターネーター」と「エイリアン2」のときとほとんど同じ。「ザ・ロック」じゃだいぶチョイ役だけど。


僕好みのこんな↓台詞もあった。

エド・ハリスとショーン・コネリーのやりとりで。ちょっとだけなんだけどイケてた。エド・ハリスのキャラはテロの首謀者。末端の兵士にを使い捨てにする国家の冷酷さに、国家の嘘つき野郎ぶりに、ついにぶち切れた伝説的将軍。極右的。白人至上主義系じゃなくて、真の自由を!系。国家権力ふざけんな系。(ランボーにも通じるところがあるかも。)

一方のショーン・コネリーは、元イギリスのスパイ。アメリカの国家機密を盗む任務中、捕まっちゃった。イギリス政府には見捨てられるし、アメリカ政府には裁判なしでネルソン・マンデラより長く獄中にぶちこまれる。ようするに、こっちも国家権力に酷い目に会わされた。

その二人が敵同士なんだけど、エド・ハリスが、


The tree of liberty must be refreshed from time to time with the blood of patriots and tyrants.  Thomas Jefferson. 

(自由の木は圧政者と愛国者の血を吸って育つ。トーマス・ジェファーソン。)僕解釈:よーするに、善と悪の戦いによって、善の犠牲の上に自由とは勝ち取られるものだと。

と、ジェファーソンの言葉を引きながら、自分のテロ行為を自由のための闘いだと正当化し、いかに自分が「愛国者」かと早口でまくしたてると、ショーン・コネリーが間髪入れずに、


Patriotism is the virtue of the vicious.  Oscar Wilde.

(愛国心とは悪党の美徳である。オスカー・ワイルド。)

と切りかえす。シブイ。シブすぎる。

そのときのショーン・コネリーの声もまたシブイ。で、そう切りかえしたら、いきなりエド・ハリスに銃でガツンとぶったたかれる。そして、ショーン・コネリーは、痛がりながらも、


Thank you for making my point.

(私の言ったことを証明してくれてありがとう。)


いや~、なかなかうまいですねえ。この流れ。

オスカー・ワイルドさんは18世紀イギリスの方だそう。サミュエル・ジョンソンの「Patriotism is the last refuge of a scoundrel」(愛国心はならず者の最後の逃げ場所である)は有名だけど(筑紫さんも、「愛国心特集」で引用してました(笑))、ワイルドさんのは知らんかった(「オージーの誇り!!! Australia on Fire」で紹介しちゃったけど)。

人間の考えることって昔からたいして変わってないね。

まあ、「ザ・ロック」のここの部分はイケてたけど、マイケル・ベイの映画に共通するトーンはあまり好きじゃない。「アルマゲドン」あたりに顕著に出てるけど。安易すぎて。ヒロイズムが。


そうそう、エド・ハリスとマイケル・ビーンのやり取りも味がある。マイケル・ビーン(海軍特殊部隊長)がエド・ハリスに対して「私もあなたの気持ちはよくわかる。私があなたに同意するのを神は知ってる。私たちも、国家やペンタゴンに怒ってる。けど、だからって、反逆して良いわけじゃない。我々は誓ったはずじゃないか。この国を内外の敵から守るということを。」みたいなことを叫ぶ。

まあ、純粋な右翼的な心情持った同士のやり取りですが。このマイケル・ビーンはイケてました。このすぐ後に、マイケル・ビーンたちはぶち殺されちゃうんですけど。切ないシーンです。このシーンだけのためにビーンは出てるようなもん。まあ部隊をあずかるコマンダーとしては、圧倒的に不利な状況なら武器を捨てて投降すべきのような気もしますが・・・。

ショーン・コネリーが娘に会うシーンもなかなかいい。アクション大作とは思えないほど繊細に仕上がったシーン。ベタベタしつこくないのがいい。その前のカーチェイスもすごい。ついでに、一番最後にやられる役なのが「コマンドー」に出てきた人ってのがなんか感慨深かった。

ま、「ザ・ロック」もいろいろツッコミどころは満載だけど、そんなことは気にしない気にしない。
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by mudaidesu | 2006-01-06 00:42 | 映画


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