ナベツネ at  朝日新聞


「論座」 渡辺恒雄 vs 若宮啓文

渡辺

学生時代から本当に反戦を主張してきた。先の戦争で、何百人万人もの人々が天皇の名の下で殺された。・・・・残酷なことをやった。僕は戦時中、こんなことを国がやるということは許せないと、本当に思ってた。

戦時中の体験もあって、そういうことを命令した軍の首脳、それを見逃した政治家、そういう連中に対する憎しみがいまだに消えない

2001年の話だけど、小泉首相が8月15日に靖国神社に参拝すると言ったとき、僕は電話をして「反対だ」と言った。「15日に行っちゃいかん。行くなら13日に行きなさい。15日に行くのは、政治的によくないと」と

その後、靖国神社の近くに引っ越して、よく靖国神社を散歩するようになった。だけど、いまだに参拝したことはない。・・・遊就館がおかしい。あれは軍国主義礼賛の施設・・・軍国主義をあおり、礼賛する展示品を並べた博物館を、靖国神社が経営してるわけ。そんなところに首相が参拝するのはおかしい。



読売新聞は2005年8月13日の紙面から、靖国参拝問題の前に、戦争責任の所在を明らかにするべきだというキャンペーンを始めた

このシリーズは一年間やりますよ。一年間やって、2006年の8月15日をめどに、軍、政府首脳らの責任の軽重度を記事にするつもり。・・・道徳的責任や結果責任の軽重について、誰が一番悪かったか、誰ぐらいまではまだ許せるか、ここから先は本当によくない、というような価値判断を具体的に示そうと



中国や韓国が首相参拝に反対しているからやめるというのはよくないと思う。日本人が外国人を殺したのは悪いけれども、日本国民自身も何百万人も殺されている。今、靖国神社に祀られている多くの人は被害者。やはり、殺した人間と被害者とを区別しなければいかん。・・加害者の方の責任の軽重をきちんと問うべきだ。歴史的にそれをはっきり検証して、「我々はこう考える」と言ってから、中国や韓国にもどういう迷惑をかけていたのかという問題が出てくる。やっぱり彼らが納得するような我々の反省というものが絶対に必要だ。読売は読売でやるけど、これを国の意思として、例えば国会に歴史検証委員会のようなものをつくってやらなければならないと思う。


東アジアの被侵略国の主張を認める前に、日本人自らの手で罪があったということを認めなければ、相手国も納得できるはずがない。

僕も79歳。僕らがいなくなると、あの残虐な戦争の実態を知らない人たちばかりに・・・僕は自分の実体験を語り、残しておかないといけない。日本軍というのは本当にひどいものだったんだということを、


南京・・・犠牲者が3千人だろうと3万人だろうと30万人だろうと、虐殺であることには違いない。

日本の戦争責任を国民自身が検証し、確認し、明らかにした後に、このスターリン支配下のソ連の侵略を非難し得る。あのソ連の不法行為も忘れることはできない。


「A級戦犯ぬれぎぬ論」が若い国民の間に広がってしまう恐れ。そういう危険を感じ始めたので、この辺でマイナスの連鎖をどこかで断ち切って、国際関係を正常化するために、日本がちゃんとした侵略の歴史というものを検証して、「事実、あれは侵略戦争であった」という認識を確定し、国民の大多数がそれを共有するための作業を始めた

そうなってくれば、中国、韓国も、そう反日宣伝を続けなくなると思う


僕は・・安倍晋三さんとは仲がいい。・・「靖国・・・この一点だけは妥協できない」と話した。安倍さんに会うと、「わかってます」と言うんだけどねえ。

安倍さんは僕に、「分祀のほかに分霊というような考え方もある」という話をしてくれたことがある。ただ、分霊というのは、例えば東郷神社かどこか別のところにA級戦犯の霊を持っていくことだが、靖国神社にも霊が残るんだ。結局、両方の神社に祀られていることになるんだな。


神道の教学上の理由・・・こんなもののために日本の国民が真っ二つに割れて、あらにアジア外交がめちゃくちゃにされている。・・・・それを否定するには、やぱり首相が行かないこと。公式参拝は一切やらないこと。

僕は靖国公式参拝論者を次の首相にしたら、もうアジア外交は永久に駄目になっちゃうんじゃないかと思ってる。


「日米関係がよければよいほど、中国、韓国、アジア諸国をはじめ、世界各国と良好な関係を築ける」・・・あれは、なんという短見か。愚劣な意見。・・・日米同盟が必要になるのは、むしろ北朝鮮だけだと思うんだ。もしも日米同盟がなくなったら、日本国内に核武装論者が出てくると思うから、日米同盟が必要だと考える。

僕はジャーナリストだから、まず日本の過去の戦争責任というものを究明したい思ってます。しかし政治家は、現実の外交を優先して考えなきゃいけない。小泉さんは政治をやっているんであって、イデオロギーで商売しているんじゃあない。国際関係を取り仕切っているんだから、靖国問題で中国や韓国を敵にするのは、もういいかげんにしてくれと言いたい。


憲法

ぼくは、とにかくうそをついちゃあいかんと考える。・・・自衛隊にどうして戦力がないといえるのか。・・・軍は軍なんだから、「隊」でごまかしてはいけない。

僕はサダム・フセインは東条より悪質だと思っている。イラクに対して先制攻撃を仕掛けるのは当然のことだ。サダム・フセインを滅ぼしたことはよかったと思ってる。


だから、イラクの場合はいい例ですよ。自衛隊を600人派遣して、一人も戦死者が出ないで、あんな楽な同盟関係なんてない。それでも感謝されてる。

若宮

だったら自衛隊のままにしておいた方がよっぽどいいじゃあないですか。

渡辺

だから、それが偽善だと言っているんだ。



転向!? 石原慎太郎 渡辺恒雄
[PR]
by mudaidesu | 2006-01-17 03:43 |


<< <至上の価値>と<愛国の源泉> メインページ 砕かれた神  ある復員兵の手記 >>