「正統性」が必要な時代? 右翼と鷹派


以前も紹介したけど、もう一度。


僕は80年間も愛国運動をしてきました。生まれる前からしてました。じゃないか。40年間、愛国運動をしてました。「君が代」は5千回歌いました。「日の丸」も5千回、掲揚しました。だから「愛国心の絶対量」は軽く、クリアーしました。
 
そんな、超愛国者の私が言うのです。思うのです。愛国心は心の中に収めておけばいい、と。「俺は愛国者だ。文句あっか!」と言葉にしたら、嘘になる。偽者になる。だから私だって、偽者です。本当の愛国者ではありません。要はその人間が、何を叫んだかではありません。何をしたかです。




だから、その人の行動を見て、(そうさな。死んでからでもいいや)。この人の一生は「愛国的だったな」「いや、ちがったな」と後世の人が評価したらよいんです。「俺は愛国者だ!」と言ってるから、その人が愛国者なのではありません。「愛国者だ!」と公言する人に、本当の愛国者はいません。40年間の私の経験からこれは言えます。
 
・・・・

そんで、『GQ JAPAN』の「愛国心特集」でも私は言ってやりました。

 〈愛国心なんて、いらねえよ!〉と。
 
取材にきた編集者はビックリしてました。同じページでは、土井たか子、志位和夫、福島瑞穂…といった人々も出ています。でも皆、自分なりの〈愛国心〉を必死になって訴えています。「愛国心なんていらねーよ!」と叫んでいるのは、私だけです。今や、私は社民党、共産党も超えて、超左翼です。アナキストです。反日です。売国奴です。非国民です。
 
大体、「愛国心は必要だ」「私こそが本当は愛国者だ」なんて、言い合っているのは「呪縛」です。愛国心という言葉に呪縛されてます。これこそが「日本の呪縛」です。違いますか。

今週の主張7月4日 「日本の呪縛」からの解放を試みたんやね



そして、もう一つ。


さらに、「歌わない人間は困る」「処分しろ」という発想になる。いやいや立っても、「でも歌ってないじゃないか」と責める人がいる。「あら探し」が始まる。前に紹介したが、都内の高校で本当にあった話だが、「実際に口を開けて歌ってるかどうか」を写真に撮って歩いてる人間がいる。教育委員会や保守派の議員だ。やだね。法律が出来ると、こんな人間が出る。でも、写真を撮ってる人間は少なくとも歌ってない。じゃ、そいつが一番、「君が代」を侮辱してることになる。「国賊」だよ。違いますかね。
 
さらに、「口を開いて、歌ってるフリだけしてる人間がいる。だから、本当に声を出しているかどうかを調べよう」という人もいる。つまり、音声を計るわけだ。いやだね。よくこんなことを考えつくもんだ。

これじゃ、君が代がかわいそうだ。ただ「強制」の道具にされているだけだ。左翼教師や「内心の自由」を持った教師を苛める為の道具にされている。「国歌」として大事にされてない。尊重されてない。まるで「拷問の道具」だよ。「踏み絵」だよ。
 
それに、「何でもいいから歌え!」と言ってるだけだ。いや、「何でもいいから」なんて言ってない、と「強制派」の人は言うかもしれない。しかし、違う。「君が代」を今まで2千回は歌ってきた私が言うのだから間違いはない。
 
大体、「君が代を正しく歌ってる人」なんて、まずいない。君が代は難しい歌だ。キチンと歌うのは至難の業だ。皆、音程を外して歌っている。

・・・

それほど難しい歌だ。集団で歌う時は、どこだって調子を外している。正しく歌ってる人なんて、いない。私は40年間、右翼をやってきて、君が代を歌いまくってきた。どんな集会でも、まず君が代を歌う。街宣の前に君が代を歌う。左翼と闘う前にも君が代を歌う。我々は日本人の前衛だ。だから先頭になって君が代を歌わなくてはならん。そんな気持ちなのだ。だから歌う。たとえ、10人でも、5人でも歌う。
 
その心意気やよし、と思うかもしれないが、これは悲惨だ。大人数で歌っても、バラバラになるのに、10人や5人では、さらに、調子が外れる。音程を外す。私だってそうですよ。正しくなんて歌えない。「歌え!歌え!」といいながら、君が代は正しくは歌われない。かわいそうな君が代だ。
 

ここで思った。よし、私は、これから教師になってやる。今から大学に入り直し、教職課程をとり、公立高校の教師になる。そんで、入学式や卒業式の時、君が代で起立しない。当然、処分される。しかし、今まで2千回、君が代を歌ってきた「愛国者」である私を、誰が処分できるのか。そう言ってやりますよ。「じゃ、あなたは何回、君が代を歌いましたか?」と。20回ですか?30回ですか。その程度で、「君が代を愛してると言えるんですか」。20回しか歌わん人が、2千回歌った私を処分できるんですか?と。
 
それに、「あなたは正しく歌えますか。音程を外さないで歌えますか」と聞いてやるよ。何なら、音程測定器を使って、一人一人調べたらいい。正しく歌ってる人なんて一人もいない。じゃ、皆、非国民だよ。いいじゃないか。非国民同士、小さなことで、批判し合うなよ。

今週の主張11月21日 「君が代」と鯖(さば)焼き



こんなのも→今週の主張9月5日 愛国殺人事件





愛国心問題や強制反対の議論はくさるほど見てきたけど、一番「強く響く」のはこの人の発言なんだよね。僕に響くというより、他の人に響かせるならこれかなと思う。僕は僕なりの考えがあるけど、外に響くのはこれかなと。ある意味、残念なんだけど。

なぜって、「正統性」なんだよね。「こいつが言っているなら」「こいつがやるなら」という「正統性」。


安倍さんですが、、ほんのちょっと、ほんとにほんのちょっとだけですが、アジア外交期待してたり(笑)。スーパーポジティブ・シンキング。もし彼が「大人になれる」のなら。ニクソンになれるかも。

ニクソンは中国をボロクソ言ってたんですよね(裏でキッシンジャーが秘密交渉)。強硬派を演じてた。だから、中国と手結んでも「売国奴」みたいな批判はあまりされないですんだ。ハト派がやると国内ですごい反発起きますが、タカ派ならまだ大丈夫。イスラエルのラビンも労働党でしたが、彼は軍人として伝説的な英雄でした。ラビンの後継者ペレスは、ずっと政治家だったからラビンのように大胆なことができなかった。融和政策って国内での「正統性」がすごい必要なんですよね。

シャロンはどこまでやれるのか?
 

こういうこと書いたけど、そういう「正統性」。ようするに、こっち側の人に影響を与えるのではなく、あっち側へ影響を与えるための「正統性」。こっちを納得させてもしょうがない。あっちを納得させるための「正統性」。あっち側が「まあ、しょうがねえか」と思ってくれるような「正統性」。

こういう発想は邪道なのかもしれない。けど、現実はこう。残念ながら。そして、こういう「正統性」が必要だと感じるということは、かなりせっぱつまってるのかもしれない。邪道でもいい、なりふりかまっちゃいられない、って状況だと感じてるのかもしれない。

ちょくちょく言ってきたけど、こういう意味で、「まともな保守」の方々に頑張ってほしいわけ。保守本流系の方々に踏ん張ってほしい。ネット上じゃまったく見かけないけど。その意味で、ナベツネの靖国論なんかも歓迎。(ナベツネ at 朝日新聞


ところで、「アメリカドラマ 24 twenty four」で書き忘れたんだけど、アメリカで黒人大統領が出るとしたら、どっちの党からなんだろう?普通は、黒人が圧倒的に支持する民主党からって思いがち。「24」でも黒人大統領は民主党。しかし、この発想って甘いと思う


やっぱり、ハト派的なノリだと、40%弱までは行ったとしても、50%はほとんどムリなんでしょうねえ。大統領を狙うとすると、30%の人に熱狂的に支持されるだけじゃダメなんですよねえ。だから、大統領になるまでは、多少日和見もありなのかなあ、とか。

というか、ただでさえ、ヒラリーさんは左よりと見られていて、リベラル派からは人気あるんですが、大統領狙うとなると、逆に、リベラル派に人気ってのはイメージ良くないですからねえ。左の色がついちゃうと、50%はとれない。右の色ならOKになっちゃったんですがねえ。ブッシュさんも一回目の選挙のときは、気を使って「思いやりのある保守主義」とか言って、色つかないようにしてたんですけどねえ。

シンディ・シーハン vs ヒラリー・クリントンのコメント欄


ヒラリーについてこう書いた。↓実際、ヒラリーはテレビゲーム規制とか頑張ったりしててリベラル色を薄くしようとしてる。

これと同じように、黒人が大統領になるには、半分近くのアメリカ人に認められなければならない。ようするに、相手陣営に近い票をどれだけ奪えるかが重要。民主党から黒人候補が出ても、リベラル候補と同じで半分は取れないと思う。民主党からの黒人候補じゃ共和党寄りの票は奪えない。よって、黒人大統領が出るとしたら、共和党からのような気がする。民主党寄りの票を奪うことによってそれが可能になる。ちなみに、ライスさんが共和党員の間でも人気。今のところ本人にその気はないようだけど。



そして、この正統性の問題は、パレスチナにも言えるかもしれない。ハマスが圧勝したわけだけど、どっちにしろ、ハマスを徹底排除した和平プロセスじゃ未来はなかったかもしれない。ハマスが交渉してこそ、皆が納得できるものになるのではと。

もちろん、ハマスが現実路線に向かわなければ意味ないけれど。ちょっと期待するのは、ここ最近は、イスラエルの生存権容認宣言をしないまでも、イスラエルを殲滅するみたいなことを言うのを控えてるらしいから。なんとか、ハマスには成熟した政治運動に変身してほしい。

つか、そうしないと、国際社会からの援助が止まる。ハマスに投票した人たちの半分以上は、イスラエルとの平和共存を望んでる。期待されてることはクリーンな内政。ハマス得意の社会福祉。



ところで、天木直人がこんなことを。↓


ハマスのリーダーよ。しばし武器を置いて政治的な抵抗に戦略を切り替えよ。お前たちの唯一の武器は国際世論だ。国際世論に訴えよ。イスラエルや米国に呼びかければいい、「武器を捨てるからイスラエルも武器を捨てよ」と。「イスラエルの生存権を認めるからイスラエルもパレスチナの主権を認めよ」と。「世界人権宣言でも国連決議でも認められているパレスチナ難民の帰還権をなぜイスラエルは認められないのか」と迫ってみよ。国際司法裁判所もその違法性を認めたイスラエルの分離壁の撤去をイスラエルに堂々と求めよ。正義はパレスチナにあることを世界に示せ。

武装抵抗を続けて米国やイスラエルに「テロは許さない」という口実を与える愚だけは止めよ。サダム・フセインの愚を繰り返すな。アハマドネジャドの愚を反面教師にしろ。お前たちが本気でパレスチナの苦しみを共有するのなら、失われた同胞の命を悼むのなら、武器をしばし置いて、世界の正義に訴えろ。

私は、米国やイスラエルのように武器を捨てろとは言わない。武装解除を求めはしない。しばし武器を置いて、本気になって政治交渉を始めてみろ。そうすればイスラエルと米国の欺瞞がたちどころに白日の下に曝される。「正義は我にあり」そう信じるのであれば、武器をしばし置いて政治的な戦いに全力投球してみろ。アラファトもアバッスも乗り超えてみろ。武器をしばし置いて政治に訴えろ。国際世論を味方につけよ。

私はハマスを応援する・・・メディアを創る 天木直人


ほぼ同意。



こんなコラムがあった。↓


毛沢東「私は右派が好きです。あなたは右派、共和党は右寄りと言われていますね。……右寄りの人びとが政権についてくれたほうが嬉(うれ)しい」

ニクソン「左の人間たちなら口にするしかできないこと(訪中)を、右の人間は実行にうつすことができたということです」(『キッシンジャー「最高機密」会話録』から)

福田外交の記憶 タカ派の方がうまくいくか 若宮啓文



おまけ↓

 
国旗・国歌に対する石坂啓さんの革命的提案を聞け!

(石坂)もちろん、日の丸や君が代が好きだっていう人はそれでかまわないけど、私は嫌なんですね。昔の資料を見るにつけ、国民が喜んで日の丸を振ってた時代には、ろくなことがありませんから。

ただ、もっと平和的な、日本の情緒や温かみのある旗であれば、振ってもいいなあと思うんです。それで、最近気が付いたんですよ。イイのがあるじゃー!と。それはですね。温泉マーク。

(石坂)外国であのマークを目にしたら、「ああ日本に帰りたい…」と愛国心が沸きますよね。そうなれば当然、国歌は「いい湯だな」。

今週の主張12月19日 「日の丸」と「君が代」と「温泉マーク」
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by mudaidesu | 2006-01-30 23:33 | ナショナリズム


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