イラク人質問題 17  海外報道


このネタは別にいいや、と思ってたけど、「ナベツネ on NYT ヤスクニとソフトパワー」にちょっと関係するんで、ちょっと触れとく。


オオニシ記者によるニューヨーク・タイムズの有名な記事。人質バッシングを詳細に記述し、「オカミ」がどうたらこうたら論じたり。↓

Freed From Captivity, Japanese Return to More Pain


こちらの方が訳してくれてます。↓



拘束時よりも、帰国後の方がつらい思いをしている 米紙ニューヨークタイムスが伝える



このニューヨーク・タイムズの記事に対して、日本領事館がお手紙↓。「ナベツネ on NYT ヤスクニとソフトパワー」で紹介した、「嫌韓流」の記事に対する日本大使館のお手紙みたいなもん。

NYタイムス記事に対する在NY日本総領事館からの釈明



↑のオオニシ記事は有名だけど、なにげに興味深かったのは、ワシントン・ポストのコラム。リチャード・コーヘンのやつ。保守派のワシントン・ポストの専属コラムニスト。

こちらで全文紹介してある。↓

日本異質論再燃の兆し。小泉首相の「鹿鳴館」パフォーマンスは馬脚を表してしまった。


日本の人質バッシングに言及し、おいおい、我々アメリカ人と同じ価値観を共有すると言われてる日本でこんなことが起こってるんだぞと。我々と同じような服装で、同じような会社で働いたりしてるけど、やっぱ、文化が違うんだよと。アメリカだったら、人質たちはイエローリボンで帰国を祝福される。日本でさえ、こんななんだから、イラクで自由と民主主義を築く、なんて無理だろと。ばかげてるよ。

みたいなかんじ。


まあ、リベラルやネオコンの掲げる「自由と民主主義の普遍性」を疑うリアリスト、ってかんじの文章かな(「またまた a リアリスト on アメリカ外交政策」)。


他の海外メディア報道については↓。

iraq hostage crisis  海外メディアの反応



イラク人質問題 8  動揺」で引用した言葉をここでもう一回。


現地NGO活動について「今回行かなかったが自分もいずれ行く」「自分も行きたい」 「周りに行っている人が沢山いる」とのコモンセンス(共通感覚)さえあれば、「費用を 払え」は出て来ない。

逆に言えば「費用を払え」大合唱は、危険を顧みぬNGO活動に対し「明日は我が身」 と連なるコモンセンスを持ち合わせるかわりに、「奇人扱い」して切り離すだけの、国辱 的な民度の低さをさらけ出す。

元人質のうち二人が、同じ日にまず弁護士会館で日本人記者相手に、ついで外人記者ク ラブで外国人記者相手に記者会見した。二人の発言は同じだったが、記者の雰囲気が対照 的なのだ。

日本の国辱記者どもは「迷惑をどう思うのか」「謝る気はないのか」と頭を下げさせよ うとする。外国人記者たちは「よく帰ってきた」「ご苦労さん」という雰囲気に満ち、「明日は我が身」の想像力を示す。

日本の記者どもの国辱ぶりは、NGOで人命救援活動をする者を「奇人」としてカット アウトする民度の低さに留まらない。現地で記者活動をする者をさえ「賤民」としてカッ トアウトする大手メディアの堕落ぶりも同じだ。

・・・

「マスコミは第四の権力」(立法・行政・司法のチェック&バランス機関)が聞いて呆 れる。この「政府ケツ舐めメディア」ぶりを証明するのが、現地入りして取材する者らへ の「立場可換の想像力(同感可能性)の不在」という異常現象だ。

各国記者に散々尋ねられた。日本の記者どもの一種異様な雰囲気、政府の意に従わざる 者をあたかも非国民呼ばわりしかねない傍若無人ぶりは、何なのかと。私は日本の記者ど ものマヌケぶりによって恥辱を浴びたのだ。

右翼思想からみた、自己責任バッシングの国辱ぶり  宮台真司




話戻って、↑のニューヨーク・タイムズの記事にしろ、ワシントン・ポストのコラムにしろ、まあ、オリエンタリズム丸出しなところがどーもなあ、なんだけど、そのへんについては「日本人の劣等感と優越感? & 欧米リベラル」でちょっと触れた。


んで、内容には踏み込む気はないんだけど、やっぱ、気になるのは、こういう報道って、日本中がバッシング一色だったようなノリなのよ。んなことないわけで。しつこく言ってるけど、あれはノイジー・マイノリティだった可能性もあるし。まあ、大手メディアや政治家が「やっちまった」から弁解のしようがないかもだけど。

バッシングしてる人が、こういう報道に対して、偏って(=人質や家族に同情的)伝えてるから、日本人のイメージが悪くなっちまう、とか言ってたり。なら、バッシングやめろって。傍からは、そう見えるんだって。やるならやるでそのくらい覚悟しろって(=現実を直視しろ)。巻き添えくらうのはこっちだけど。

つか、やめてくれ。せっかく、心やさしい日本人たちが築いてきた、日本人に対する好印象をこっぱみじんに破壊するようなことはやめてくれ。・・・・・とまでは言わんけど。

とにかく、何度もしつこく書くけど、僕は「日本人の美徳」をまだ信じてるから。やさしさとか寛容さとか。思いやりとか。我慢とか忍耐とか正々堂々とか。ほとんどの日本人はそういう美徳を体現してると信じてるから。

あんなのを日本の文化だとか「日本人性」だとは絶対に思わない。

日本人にはそういう美徳ってのがあって、あんな醜悪なバッシングなんて良しとしない、とムリヤリ信じつづける。日本人ってのは美しい。だから、僕は日本で死のうと決めたわけ。日本や日本人が好きだから。



ニュース

イラク人質新映像公開,1人不明
イラク人質帰還のため100人が徹夜の祈り
クリスチャン米国人人質殺害される
人道援助団体の米職員の遺体発見、イラクで昨年拉致
イラクで誘拐の米国人平和活動家、遺体で発見



CPTの姿勢については、「イラク人質問題 3」と「イラク人質問題 6」で書いたけど、一人が殺されてしまったみたい。

CPTのサイト追悼声明から殺されたトム・フォックスさんの言葉。↓


"We reject violence to punish anyone. We ask that there be no retaliation on relatives or property. We forgive those who consider us their enemies. We hope that in loving both friends and enemies and by intervening nonviolently to aid those who are systematically oppressed, we can contribute in some small way to transforming this volatile situation.”


俺訳だとインチキくさくなるんで、内容だけ。徹底的に非暴力でいくと。報復はなしと。
[PR]
by mudaidesu | 2006-03-14 06:23 | イラク人質事件


<< ひがみ&ねたみ メインページ 白バラの祈り >>