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フラガールと○ん○伝説


なんだかものすごい勢いで評判のいい「フラガール」だけどねえ。監督の李相日は、「69」がイマイチだったしねえ。観てきたけどねえ(一ヶ月近く前だけど)。正直、この手のプロットの映画はもうおなかいっぱいだしねえ。「ハワイアンセンター?あー、ガキんちょのとき、友だちが行ってきたって話してたなあ。」みたいな。




ってかんじだったんだけど、あららららら。

ふつーに傑作じゃん。


「フラガール」公式サイト



最後だけはちょっと盛り上げて、あとはおバカに徹するのかと思っていたら、最初から最後まで王道ってかんじだったような。おすぎ曰く、「フラガールは最近の邦画の中では出色の出来栄えの映画です」。

ただのありがちな「みんなでがんばった話」を楽しくせつなく描いてるだけじゃなくて、時代をちゃんと考察してる作品だし(この部分が予想外だった)。んで、ただの「another 昭和のにおい映画」or「another みんなでがんばった映画」じゃなくて、"THE"といってもいいかも。



ダメだと思うところがまったくなかった(ムリヤリあげればしずちゃんの泣きのシーンだけど)。すべてにおいて完璧すぎて、それが逆にダメというか、すばらしい傑作ではあるけど傑作どまりになっちゃった、みたいな。って意味不明?


個人的には、こういう直球で王道の映画も好きなんだけど、心じゃなくて脳ミソがグラグラするようなのや、破綻or破綻寸前?だけどすげー、みたいなのを求めてるってのがあるからかな。「あやうい刺激」みたいのを映画に期待してるのかな。「不快だけど心地よい」とか。「フラガール」はほとんどの人に好かれる作品だろうけど(僕も大好きだし)、あまりに「まともすぎ」かなと。


で、こちら↓の感想はおすすめ。てか、ryoddaさん、あいかわらずすばらしい。


過剰な人情@フラガール


評価は正反対だけど実はけっこう同意なんだな。僕としては、「まともすぎ」と表現したけど。


ただ、僕的には、「フラガール」は「過剰」だとは思わなかったし、しつこいとは思わなかった。さっぱり描けてたとは思う。なんでもかんでもうざいと思っちゃう僕だけど、しつこくてうざっ、ってかんじはまったくなかった。



で、「フラガール」は、来年の米アカデミー賞での日本代表作品になったようで(ノミネートされるかはわからないけど)。海外での興行成績もかなり期待できるかも。というか、アカデミー賞はともかく、かなり売れそう。



てか、朝一で観たんだけど、おばあちゃんばっかで、この映画、おばあちゃんたちのツボに入りまくってた。おばあちゃんたち、一つ一つの小ネタに対する反応がいいいい。





で、俳優だけど、蒼井優も当然すばらしいんだけど、松雪泰子がすごくよかった。最後のころはみょーに素直な人になっちゃっててびみょう(ちょっとうざかったかも(笑))だったけど(ストーリー上しゃーないんだけど)、それまでがすばらしい、というかナイスキャラもナイスに演じてた。


おすぎ曰く、


「松雪泰子がこんなスゴイ女優だったとは!」

「長い間"女優"としての存在感を感じていなかった人が突然一本の映画で"こんなスゴイ人だったんだぁ"と思わせてくれる事があります」


まあ、僕としては、「そこまでスゴイか?」ってかんじだけど、かなり良かったのはたしか。というか、この映画に期待してなかった理由の一つが松雪さんだったから。観る前は、「松雪~?大丈夫かよ?みてらんねーんじゃねーのー?」みたいなノリだった。ごめんなさい。松雪さんがいなかったらこの映画の魅力7割減だったかも。


男湯に乗り込むところはもちろんかっこいいんだけど、個人的には、早苗(徳永えり)との別れのシーンがかなりイケてたと思う。他のみんなが「感動的でさわやかな(少々うざい(笑))」別れのあいさつしてる後ろで、「こういうベタベタしたのムリ」ってかんじで座って石投げてたり、「私はいいって。いい。いい。」ってかんじで手を振るところなんてすんごい良かった。完璧。そのシーンのその後の展開もベタだけど完璧。




細かい話はおいておいて(というか、おすすめの映画です)、この映画でなにが辛かったって、最初から最後まで、脳裏にアレが浮かんでたこと。アレってアレですよ。「69」のアレ。校長室(だっけ?)でのアレ。

「69」自体はたいしたことなかったけど、あのシーンは僕の中では伝説の域に達してる。


「69」を観たときも朝一だったんで(たぶん)、観客はお年寄りばっかで、あまりにアレで破壊的なシーンなんで、一緒に観てた人もまわりの皆さんが気になったみたいで、「きゃははは、おじいちゃんおばあちゃん大丈夫?てかサイコー。」みたいな。

で、「フラガール」の最中もずっとあのレジェンダリーなシーンが頭から離れなかったんですわ。

おげれつなシーンが大好きなんで。

「フラガール」でも、ひそかになんか期待してたんだけど。




一応、「69」のサイトも。



つか、プロデューサーの李鳳宇については前にちょっと書いたけど、シネカノンすごいじゃん。去年は「パッチギ!」、今年は「フラガール」。日本映画を支えてる?


てか、ハワイアンセンターいきてー。


てか、この映画のこと知ったときは、↑では書かなかったけど、「ハワイアンセンター?まだつぶれてねーの?」なんて、そこに生きる人たちについての想像力ゼロのヒドイこと思っちゃった。ほんとヒドイ奴ですね。そういう奴こそ、この映画を観るべきだったね。




って名前変わったのね。

http://www.hawaiians.co.jp/




1980年代に入ると、レジャーの多様化や施設の陳腐化などにより集客が鈍化。やがては、海外航空運賃の激安競争の煽りを受け、本当のハワイに行った方が安いとまで言われた。 1980年代には、アイドル歌手や演歌歌手が多く営業に訪れた。特にアイドル歌手には、「引退寸前の歌手が行く公演先」として忌避されがちであったが、多くの「追っかけ」と呼ばれるファンが訪れたという。

1990年、総事業費50億円をかけ「スプリングパーク」をオープン、長年親しまれてきた一方、田舎臭いなどという声のあった名称「常磐ハワイアンセンター」を「スパリゾートハワイアンズ」に発展的変更を行い、イメージチェンジを図る。温泉を利用した5つのテーマパーク、ホテル、ゴルフ場などで構成される。経営母体は常磐興産。前身の常磐ハワイアンセンターのコンセプトであった「ハワイ」「南国」に後にブームとなる「温泉」を加えたこと、東京方面からの無料バスによる送迎サービスを行うなどの集客努力などが功を奏し、現在では年間140万人を越える集客まで回復、多くのリピーターも獲得し、他のリゾート施設の苦戦を尻目に健闘を続けており、長寿リゾートテーマパークとして多くの人々に親しまれている。2005年度には「常磐ハワイアンセンター」時代の1970年(昭和45)以来の年間利用者数150万人の大台を達成した。


ウィキぺディア



ウィキによると、「イメチェン」しちゃったのね。この映画観たら、昔の「田舎臭い」方がいいじゃん、と勝手に無責任に思っちゃうけど。まあ、商売うまくいってるみたいなんでほっとしたけど。
by mudaidesu | 2006-10-23 12:24 | 映画


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