白バラの祈り




反ナチ活動グループ“白バラ”のメンバー、ゾフィーと兄ハンスが反戦ビラを配ったために逮捕された。ゲシュタポから決定的な証拠を突き付けられたゾフィーは、ある悲痛な決意を固めていく。

公式サイト



フェルメールを意識してるのかなってな絵が多かったような。


やっぱ、危険をわかっててやったんだから「自己責任で自業自得」。なのかな。反国家的行為らしいし。国家に金までもらってるのに、政府の言うこと聞かないで、あげくに余計なことして国家に迷惑かけたし。あの「3匹」は「三馬鹿」or「3バカ」かな。


しかしながら、僕らの周りでも、映画の中で出てきたような言葉が、似たような文脈で使われてるなあと思った。まあ、昔から、いつでもどこでも、似たような文脈の中で、似たような言葉を使って、人々はやり取りしてきたんだろうなあ。



つーか、僕には無理。ゾフィーにはなれない。

「大儀のために美しく死ぬ」ってなヒロイズムは、逆方向への回路に回収されちゃうこともあるし。
(<至上の価値>と<愛国の源泉>ねじ曲げられた桜


僕だったら、最後の「規則違反だけど」と言いながらタバコをあげる刑務官くらいがいいとこかなあ。どうだろう。せめてそのくらいではありたい。というか、今を生きる現在の僕がそのまま当時にいたら、あのくらいだろう。僕というポテンシャルの人間が当時のドイツで生まれ育ってたら、たぶんお話にならない。想像するだけでコワイ。けど、「いざ」ってときには、ひょっとして腹が据わったりして。ま、そういう状況にならないとわからないっすね。


あの最後のシーンでの3人はかっこよかった。神々しかった。

それは僕が「時代を超えて変わらない大切なもの」をゾフィーたちに見るから。普遍的な価値を。

でも、自爆テロに賛同する人たちからすれば、自爆テロに向かう人たちの姿はまさにあんなかんじに見えるのだろう。そして、彼らにとってもそれは普遍的なものなんだろう。イスラムだとしたら、やっぱりイスラムも普遍性を謳う宗教だし。










ところで、やっぱ、

戦後すぐの共産党は光り輝いて見えたんだろうなあ。




つーか、殺された女性(である必要はないけど)共産党員あたりを主人公にして、日本でもこういうのつくれたでしょ。拷問かなんかのシーンで、宇多田ヒカル の「be my last」あたりをガンガンに流してドラマチックに描いて(しつこいけど)。いや、この曲を最初に耳にしたとき、僕の頭の中で浮かんだ絵がそれなんよ。なんでだか知らないけど。

んで、「震えがとまりませんでした!」とか「良心の大切さと信念を貫くことの大変さについて考えさせられました!」とか「私と同い年の子なのに・・(涙)」みたいなアレ系のCMをバンバンやって。ヒットすると思う。って日本じゃ無理か。情けねぇ。

大島渚も「御法度」なんてスットボケタ作品撮ってないで(嫌いじゃないけど)、こういうのをやってくれよと。僕らの世代の度肝を抜いてくれよと。てか、若い映画人やってくれよ。


ただ、やっぱ共産党員が主人公だとまたちょっと違うのかなあ。ゾフィーは党派性が薄いし(そう見える)、「筋金入りの活動家」ってより、「普通の女性」ってかんじなところがまたウケたんだろうか。「普通のドイツ人」が感情移入しやすいんだろう。あんな状況であんなことやれちゃう人が「普通」なわけないんだけど(もちろん良い意味で。尊敬・畏敬の念を込めて)。

ローザ・ルクセンブルグの場合は、もう歴史上の偉人・英雄ってかんじだから、党派性は気にならないのかなあ。映画「ローザ・ルクセンブルク」もすばらしい(この監督(女性)の他の作品もすごい)。


追記:「三四郎日記」さんがこんなこと書いてた。↓


日本共産党員や共産党の支持者っていうのは、少なくとも心情的には、ゾフィーの側にたっている。これは、単にイデオロギーとかの問題じゃなくて、日本共産党が背負っている歴史によるものだ。

そう、日本にもゾフィーはいたのだ。飯島喜美とか伊藤千代子高島満兎田中サガヨたちだ。彼女たちは特高警察の拷問などによって殺害された。みんな24歳だった。だけど、彼女たちの死は多くの日本国民には知られていない。僅かに数十万人の共産党員や共産党支持者が彼女たちの死を記憶にとどめているに過ぎない。

この辺りが、スパルクス団(ドイツ共産党)のローザ・ルクセンブルクなんかを「通り」(Stra遵me)の名前にするようなドイツとは違っている。

白バラの祈り-感想その2




この映画の監督によると、ドイツでは190の学校がゾフィーの名前をつけてるらしい(公式サイト)。共産党員でも共産党支持者でもない僕も、彼女たち(彼らも)の死をちゃんと記憶にとどめる。













それにしても、直球勝負だった。安易すぎってかんじもしないでもないけど、しつこくドラマチックにしようとしてなかったのがよかった。いや、実は台詞が安易すぎて(リアルなんだろうけど)、ほんのちょっと、ほんのちょっとだけ、退屈してしまった僕です。すんません。

でも、昔の人もあんな直球勝負の言葉でやりあってたんだなあ、と感慨深かった。
 
ほんと淡々と話が進んでいった。余計なエピソードとかがないのがいい。判決から処刑までもサクサクと。そこがスゴイ。実際、時間は待ってくれない。時はサクサクと進んでく。もうちょっともうちょっとってのがない。もうちょい待ってくれよーってのがない。そこがツライ。

直球勝負でも、ナチス側の人たちの微妙な葛藤がうまいぐあいに描かれてた。ナチの描き方はステレオ・ティピカルではあるんだけど、その中で微妙な心情をもチョロチョロと散りばめてる。

絵はいいけど、音楽はパッとしなかったけど。


この映画について、ドイツの「保守論壇」はどんなこと言ってんだろ。この映画は、ドイツだけじゃなく、世界中で賞をとりまくってるけど。ネオナチさん以外で、「主流の保守派」にも「反独」とか「売国」とか「自虐」とか言ってる人なんているのかな。日本と違って、体制が戦前戦後で完全に断絶してるドイツじゃさすがにいないのかな。



でも、直球勝負ってのは時代を反映してんのかなあ。ドイツにも「ホロコースト」すら知らないって世代がガンガン出てきてるようだし。ドイツでも、前の世代が共有してたような「前提」がもう存在しないのかもしれない。あそこまで、直球で露骨に言葉で表現しないとわからないのかもしれない。

50年代から70年代くらいまでのドイツ映画は違ってた。過去を引きずってるような作品が多いんだけど、直球勝負ではなかった。メタファーばっかり。それもそれでしつこいんだけど。それで、やたらと重い。というか、キツイ。疲れる。とにかく、ゴダールだのトリュフォーだの同時期のフランス映画とは全然違う。

ただ、そういうドイツ映画だから、ドイツ国内ではあまり人気がなかったらしい。やっぱ、もういいよ、ってかんじなんだろう。数十年後に観てるこっちだって気が滅入るんだし。別に、反省してます!みたいな作品では全然ないんだけど。ただ、過去を引きずってる、過去が陰を落としてる、ってのがチラチラしてるだけなんだけど。


でも、そういう作品を、うんうん、とか思いながら(連合国の)外国人が観てる光景ってのも、うーん、だけど。この作品もそう。よしよし、ドイツ人はちゃんと反省してるな、みたいな。

ドイツ人の反省もいいけど、みんな、自分たちも省みようよと。程度の差はあるけど、↑で書いたように、似たようなネタはどこにでもあるだろうし。


ま、とにかく、はやめに声をあげろ、ってことかな。渡辺清も「なんで言ってくんなかったんだよ!おせーよ!」みたいなこと書いてたし。(砕かれた神  ある復員兵の手記)


てか、ビラは便所とか目立たないとこに撒けばいいのに、って思うのはやっぱ小心者かな。それじゃ、劇的な効果がないね。どーだコラ!ってとこに撒かれてるからこそ、読む人にも勇気を与える。

世界中で、こういう人(良心の囚人)がまだたくさんいるんだよねえ。

アムネスティ・インターナショナル・ジャパンでもリンクしとく。

学校の先生でアムネスティの人がいて、この人はチリ人なんだけど、夫がピノチェト政権下で拷問受けて殺されたそう。ピノチェトを支えてたアメリカに移住するってのがすごい。おまけに、同僚に、悪名高い「School of the Americas」(中南米の軍人たちを教育するアメリカの学校で、ここで教育を受けた人たちが、拷問とか弾圧に関わりまくり)の理事だった人がいた。

この前、チリ初の女性大統領になったミシェル・バチェレも拷問経験あるみたいね。

ま、気が向いたら手紙作戦でもやってみて。


しかしながら、この映画についての僕の感想は政治性剥き出しでキモイくらい。でも、この映画を観て、頭をよぎったのはこんなんばっか。一応、ナショナリズム問題あの問題がここんとこ気になってるし。なんでもかんでもこういうネタに回収してしまう。なんか、なんでもかんでも教育基本法と憲法のせいにしちゃう保守オジサンたちの節操ない思考に微妙に似てきちゃったかな。ちょっと前までは「ノンポリ」(この映画でも出てきた表現だけど)だったんだけど。


ああ、せつねぇ。

たいしてすごい映画だとは全然思わなかったけど、映画観て「せつねぇ」と思ったのは「リリイ・シュシュのすべて」以来のような気がする。




















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by mudaidesu | 2006-03-05 06:26 | 映画 | Comments(45)
Commented by sophei at 2006-03-06 16:30 x
上の画像クリック!
Commented by mudaidesu at 2006-03-07 05:23
フォローどうもっす(笑)
Commented by ノラネコ at 2006-03-07 19:19 x
TBありがとうございました。
直球勝負なのは世代が変わったと言う事でしょうね。
これ作ってるのは完全に戦後世代ですし、ある意味で記憶でなく記録でしか知らない事だから直球で描けるのでしょう。
だからこそ、今の世にもダイレクトで響く物があると思います。
Commented by mudaidesu at 2006-03-07 23:43
ノラネコさん、こんにちは。コメントありがとうございます。あつくるしい文章をTBしちゃってすいません(笑)。

>[直球勝負なのは世代が変わったと言う事でしょうね]

そうですねえ。ドイツ国内での、この映画についての議論にちょっと興味あります。どういう語られ方してるのかなあと。反発してる若い人も多いんじゃないかなあと。今の日本のように。

>[記憶でなく記録でしか知らない事だから]

この表現はうまいですねえ。まさにこの作品ですね。

というか、ノラネコさんの映画評は丁寧だし、うまいですねえ。読んでると、観てない作品も観たくなっちゃいます。
Commented by 村野瀬玲奈 at 2006-03-08 21:40 x
こんばんは、村野瀬です。

「白バラの祈り」の感想を...。

映画の最中は、私は自分がゾフィーであるかのように見ていました。これが今の日本で起こっているかのように。家族に最後の手紙を書くように言われて部屋に一人残されたときに彼女が悲痛な長い叫びをあげたときの悲しかったこと。ラストシーンの恐ろしかったこと。

映画全体をゆっくり思い返すと、自分がゾフィーだったら、自分がモーアだったら、自分がフライスラーだったら、自分がゾフィーとハンスを逮捕させた用務員だったら、自分があの狂気の裁判の立会人たちの一人だったら、自分はいったいどうしただろう、と考えずにはいられませんでした。

私たち人間はどのような境遇でどこでいつ生まれるかを選べない。

自分はこの映画の中の誰にもなりたくない。このような社会環境の中で誰になるかを選ばなければならないなんて絶対いやだ。絶対にこんな社会を作ってはならない。

あんまり整理された感想とは言えないけど。

ブログ主さんに追伸: モーリス・パポン裁判をもしご存知なら、それについて意見交換をする気はありますか?
Commented by 村野瀬玲奈 at 2006-03-08 21:53 x
次の文章に一点。

「殺された女性(である必要はないけど)共産党員あたりを主人公にして、日本でもこういうのつくれたでしょ。」

次の指摘にも一点。

「スパルクス団(ドイツ共産党)のローザ・ルクセンブルクなんかを「通り」(Strasse)の名前にするようなドイツ」

だけでなく、

「1914年に暗殺された社会主義者ジャン・ジョーレスなんかを「通り」(rue)の名前にするようなフランス」

というのもありますね。

町がそのまま歴史になっているヨーロッパ。過去を忘れない町。美しいです。
Commented by mudaidesu at 2006-03-09 09:51
村野瀬さん、こんにちは。

>[自分はいったいどうしただろう、と考えずにはいられませんでした]

私がダメな奴なんでしょうけど、もう最初から「自分だったら何も言えないしできない」って決め付けちゃってましたから、ああなる前になんとかしないとと思いました。「絶対にこんな社会を作ってはならない」ですよね。

ふと思ったんですが、「転向」ってはそんなに責められないのかなあと。「転向」するまではそれなりに頑張ってたんだろうし。鶴見俊輔に転向研究ありますよね。映画の裁判官を見てたら興味が湧いてきました。


>[モーリス・パポン裁判をもしご存知なら、それについて意見交換をする気はありますか?]

基本的なことはわかりますけど、意見交換するほどこの問題やフランスやヨーロッパの歴史論争その他について詳しくないんですよね。私としては、私のことを無視して村野瀬さんに語ってほしいです(笑)。詳しくないですけど、欧州極右の台頭についてレポート書いたこともあるんで、こういう問題には興味ありますし。(http://mudaimudai.exblog.jp/2809636/で載っけたルペンのインタビューおもしろいです。)
Commented by mudaidesu at 2006-03-09 09:52
フランスもややこしいですよね。結構、日本と似てるところもあるかもしれませんね。90年代になっても(90年代(冷戦終了)になってから)、歴史や責任の話でゴタゴタしてますからね。
「自虐」みたいな表現はどっちにもありますし。最初にゴタゴタするのも60年代終わりから70年代にかけてですし。というか、これって世界的(といっても、ドイツやフランスや日本あたりだけですが)な流れなんですかね。冷戦後に「過去の問題」がガーっと出てくるのはほんとに世界的にそうですよね。


>[社会主義者ジャン・ジョーレスなんかを「通り」(rue)の名前にするようなフランス]

それは知りませんでした。この人は人気ありますよねえ。というか、なぜか、アンジェイ・ワイダの映画「ダントン」を思い出しました。この映画ご存知ですか?ちょっとしつこいですが、おもしろいです。

ダントン
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD11478/index.html?flash=1

というか、「白いバラの祈り」を観たときも思い出しました。ギロチンのシーンはモロだし。

Commented by mudaidesu at 2006-03-09 09:52
ついでに思い出したのが日本の「水戸黄門」とか「遠山の金さん」とか「あばれんぼう将軍」とかです。いや、おもしろいんですけど、やっぱり、「お上」や「体制」を信用しきっちゃってるというかなんというか。それとも、実際は違うけど、「お上」や「体制」はこうであってほしいっていう庶民のささやかな願いが込められてるのでしょうか(笑)。そして、その逆説が忘れ去られてストレートに受け取っちゃってるんでしょうか。
Commented by 村野瀬玲奈 at 2006-03-12 22:13 x
mudaiさん、おひさしぶりです。

>私がダメな奴なんでしょうけど、もう最初から「自分だったら何も言えないしできない」って決め付けちゃってましたから、

とおっしゃいますが、私も臆病者のダメな人間です。といいますか、この映画のような状況で勇気を奮い起こして圧政と闘えと人々に言うことはやっぱりできないですよ。

圧政と闘う人たちはいるだろうけど、そういう人たちを遠くから見ているだけで自分の上を嵐が通り過ぎるのを待つだけの卑怯者になるのがせいぜいかもしれません。

だからまさに、「絶対にこんな社会を作ってはいけない」のですが、普通の人々が「こんな社会」の恐ろしさを想像するのはそんなに難しいのかなと今まさに2006年のこの日本で考えます。
Commented by 村野瀬玲奈 at 2006-03-12 22:13 x
>ふと思ったんですが、「転向」ってはそんなに責められないのかなあと。「転向」するまではそれなりに頑張ってたんだろうし。鶴見俊輔に転向研究ありますよね。映画の裁判官を見てたら興味が湧いてきました。

あの暴力的な裁判官の「転向」は確かに見ていて醜いものですが、あの裁判官を責めるだけでは何も解決しないというのもその通りですね。人は弱いもの。自分の立場や生活を守るために「転向」する人がいてもおかしくない。

だからこそ、人がこのように醜く転向しないと生き延びられない世の中を作ることは間違っていると何度も言わなければ。

本当に切ない映画でした...。
Commented by 村野瀬玲奈 at 2006-03-12 22:22 x
>>[モーリス・パポン裁判をもしご存知なら、それについて意見交換をする気はありますか?]

>基本的なことはわかりますけど、意見交換するほどこの問題やフランスやヨーロッパの歴史論争その他について詳しくないんですよね。

私も知識は基本的なことくらいしか持っていませんよ。詳しくはないです。(笑)ここで私の乏しい知識を開陳しても、詳しい人から見たら「なんだこいつ」と思われるだけでしょうし(笑)。

私が気になったのは、平凡な人が上からの命令や周りの雰囲気や圧力に従って良心を眠らせているうちに抜き差しならぬことになってしまうことに人がどれだけ自覚的か、ということで、モーリス・パポン裁判はそれをフランス人につきつけた裁判だった、と思ったのです。(もちろん、私にも突きつけたからこんなことを書いているのですが。)

少しずつ考えてまた書いていきますが、mudaiさんの考えも聞きたいですね。

ルペンについてはまた改めて。
Commented by mudaidesu at 2006-03-14 07:25
こんにちは。

>[あの暴力的な裁判官の「転向」は確かに見ていて醜いものですが、あの裁判官を責めるだけでは何も解決しないというのもその通りですね。人は弱いもの。自分の立場や生活を守るために「転向」する人がいてもおかしくない]

そうなんですよね。しょうがないかもしれないけど、「転向」ってのはかっこ悪いんですよね(笑)。


>[平凡な人が上からの命令や周りの雰囲気や圧力に従って良心を眠らせているうちに抜き差しならぬことになってしまうことに人がどれだけ自覚的か、]

なるほど、そういう個人としての問題意識だったんですね。難しいですよねえ。別に戦争犯罪じゃなくても、身近なことでもありますよねえ。こわいです。頭ん中でグルグルといろんな考えが周ってますが、簡単に表現できないですよねえ。

ニュルンベルク・東京裁判の特徴というか、この両裁判以降のスタンダードは、戦争犯罪において、「上司の命令に従っただけだ」みたいなのは個人を免罪する理由にはならないってことをどっかで読みました。と言っても、同情の余地のある下っ端の戦犯はたくさんいましたけど。結局逃げ切った上の人たちもいるわけですしねえ。
Commented by mudaidesu at 2006-03-14 07:25
「人道に反する罪」で思い出しましたが、小林よしのりさんあたりが軽々しく広めちゃった言説の一つに、「ドイツは『人道に反する罪』を犯したから酷くて、日本のはただの戦争行為でちょっと逸脱しちゃった(ただの戦争犯罪)だけで普通」みたいのがありますよね。

「人道に反する罪」(「人道に対する罪」とどっちが日本語では一般的なんでしょう?検索したら後者でしたね)も戦争犯罪の一種と言えるのに。戦争法規(ジュネーブ条約やハーグ条約)違反、人道に反する罪、ジェノサイドの三種が基本的には戦争犯罪で、これらに関する国際法が国際人道法なんで、別に何が酷くて普通なんてのはないですよね。イメージ的にはジェノサイドが悪いですけど。


というか、人道に反する罪やジェノサイドってのは国家主権内での問題(直接的にはナチスのユダヤ人迫害)を国際的に裁くために作られた概念なわけで、他の戦争犯罪と比べてどうだこうだってのはどうかと。というか、どっちが酷いかなんてことは簡単には言えないし、たとえ主観的にどっちが酷いと思ったとしても、もう片方がエライってわけじゃないですしね。
Commented by mudaidesu at 2006-03-14 07:26
というか、日本人も東京裁判で「人道に反する罪」で裁かれてますけど。

それに、東京裁判を否定する(私も酷い裁判だとは思いますが)ときは「平和に対する罪」と「人道に反する罪」は事後法だって文句言いながら、ニュルンベルクの「人道に反する罪」(事後法)は受け入れちゃって語るってのは、うーん、ですよね。というか、これ系の言説のダブスタを指摘していったらキリないですけど。

まあ、自国を免罪するためのそういう言説(屁理屈)ってのは誠実じゃないですね。西尾幹二さんなんかも、戦後のドイツをボロクソ言ってますよね。他者(元同盟国!)を貶めて、自分は開き直るってのは日本人の美徳に反します(笑)。


微妙に(ほんとに微妙に)関連するエントリーを前に書いたんですが、よかったらどうぞ。↓

ニッポン 旧ユーゴ 虐殺 国連 その他
http://mudaimudai.exblog.jp/1238224/

前半のネタは、日本人として、なんだか微妙な感覚になるんですよね。
Commented by 村野瀬玲奈 at 2006-03-18 20:56 x
>[社会主義者ジャン・ジョーレスなんかを「通り」(rue)の名前にするようなフランス]

すすすすみません。(笑)間違えました。
たとえばパリにあるのは「通り」(rue)ではなくて「並木道」(avenue)でした。
そういえば、ジャン・ジョーレスくらいの「大物」はちっちゃな道ではなくてだいたい大通りの名前になるのでした。

あとパリで名前が印象に残る場所は「冬季競輪場殉死ユダヤ人広場」ですね。「1945年5月8日広場(あるいは、通り)」なんてのもいろいろな町にあります。最初はなんて長い名前、と思いましたが、第二次世界大戦が終わった日というのは(祝日でもあるし)、欧州にとって非常に大切な日で、忘れてはいけない、と。
Commented by 村野瀬玲奈 at 2006-03-18 21:21 x
さて、自国の歴史を振り返ることが自虐的かどうか、フランスの例ですが。

現大統領ジャック・シラクの大統領就任直後の1995年7月に、第二次世界大戦中の1942年にフランス警察によるユダヤ人狩りの追悼式典での演説で「フランス国家が犯した誤り」を初めて認めていました。(前任のミッテランはその誤りを認めていなかった。)

「冬季競輪場にユダヤ人が集められて強制収容所行きの貨物列車に乗せられた」ことにパリのその広場の名前が由来するわけですね。自国の歴史の陰を思うように町ができているんだ、と考えたら、フランスが偉く思えて、さらに、そのような運命を甘受した人々のことを思い、ちょっと涙が出ました。

で、このシラクの演説はルペンのような極右からはウケが悪かったと。しかし、フランス国民の多数派はこの演説を支持したそうです。

わざわざ広島原爆50周年の1995年8月に核実験を行って世界中の怒りを買ったシラクも良いことはしたわけですね。
Commented by 村野瀬玲奈 at 2006-03-18 21:26 x
>自国を免罪するためのそういう言説(屁理屈)ってのは誠実じゃないですね。西尾幹二さんなんかも、戦後のドイツをボロクソ言ってますよね。他者(元同盟国!)を貶めて、自分は開き直るってのは日本人の美徳に反します(笑)。

本当に、心から、そう思います。日本人の伝統であるこの美徳を破壊しようとする歴史修正主義者たちや自民党(笑)と戦い、日本人の美徳を守ろうではありませんか。(笑)

「ニッポン 旧ユーゴ 虐殺 国連 その他」のエントリーについては、また少しずつ読ませていただきます。読むところがたくさんあるから、すぐにお返事はできませんけど...。
Commented by mudaidesu at 2006-03-20 10:19
>[このシラクの演説はルペンのような極右からはウケが悪かったと]

そのへんよくわからないというか、ややこしいですよね。↑で紹介したルペンのインタビューによると、ルペンはビシー側じゃなくて、レジスタンス側だったわけですよね。けど、ルペンは

『私は「ナチのガス室は、第二次大戦の歴史全体から見れば細部の問題だ」と当たり前のことを言ったまでなのですが。しかし、私はその発言で罰金125万フランを裁判所から言い渡された』

こんなかんじですし。

おまえはどっちなんだよと。まあ、もちろん、あっちとかこっちとかすっきりさせる必要もないでしょうけど。



>[フランス国民の多数派はこの演説を支持したそうです]

なんだかんだ言っても、ヴィシー政権の問題(ナチの問題)なら、フランス人も認めるのにそんなに抵抗ないのかなと。ヴィシーの体制とは完全に断絶してますからね。フランス人のアイデンティとしてはやっぱり「ナチと闘った自分たち」でしょうし。ちょっとは汚点になるでしょうし、最初に問題が明らかになりはじめたときは抵抗あったでしょうけど、枠組み(自分たちvsナチ)そのものはそんなに変わらないのかなと。

Commented by mudaidesu at 2006-03-20 10:20
フランスで「自虐」が問題になるのは、ヴィシー時代の話よりアルジェリア問題などの植民地関係の話ですよね。このへんは、戦後の体制もドップリ漬かってたし責任ありまくりですから、↑の話と違ってすっきりいかないところもあるのかなあと。日本と似てるのはこのへんのあたりですよね。日本も体制が断絶してないからこそ、すっきりいかないのかなあと。

いや、私、ほとんどフランスのこと知らないんで、テキトーなんですけど(笑)。イメージだけで言ってます(笑)。

そういえば、韓国で今起こってることも、似たようなことですよね。体制と過去の問題。韓国も政権はともかく、体制そのものは決して断絶してるわけじゃないですしね。

ちなみに、「体制」は「エスタブリッシュメント」みたいな意味で使ってます。

Commented by mudaidesu at 2006-03-20 10:56
>[わざわざ広島原爆50周年の1995年8月に核実験を行って世界中の怒りを買ったシラク]

フランス人は、そういうマッチョなノリでアメリカあたりと張り合うのはそろそろ卒業してほしいっすよね(笑)。

ふと思い出したんですが、アメリカでおもしろい統計を見たことがあります。ワシントンDCにある5つの大学のアメリカ人学生へのアンケート。英伊独仏への好感度調査。英伊独への好感度は男女とも同じくらいなんですが、フランスに対してだけは女性の好感度と男性の好感度が2割も違ってました。アメリカ人男子学生のフランスへの好感度が低い(笑)。2000年くらいの調査なんで、イラク戦争前に「フレンチフライ→フリーダムフライ」の時期よりももっと前です。

理由は書いてなかったんですが、それを見たときは、「男ってもんは・・・アホだなあ」とつくづく思いました。


>[日本人の伝統であるこの美徳を破壊しようとする歴史修正主義者たちや自民党(笑)と戦い、日本人の美徳を守ろうではありませんか。(笑)]

いや、ほんとっすよ(笑)。

Commented by mudaidesu at 2006-03-20 10:56
luxemburgさんが

『こんなことを書くと、すぐに「反日」という人がいるだろう。違うんだなぁ、むしろ逆だと思う。明治以降、日本人は日本の伝統を破壊する教育で、アホにされてきただけ。本来の日本はもっと賢いはずなのに明治維新以降、本来の日本の伝統はことごとく破壊され、のんきな農民を殺戮者に変えてきただけだ。反日とがんばる人は、その点を考えて、本当の日本に反しているのは誰なのか、を直せばよくなると思う』

と書いてましたが、ほんとそう思います。


日本の古き良き伝統を守ろう(笑)
http://mudaimudai.exblog.jp/2554579/

こんなのも書いたんですが、私としてはアンチ近代なところもありますし、どうせなら保守主義者になっても別にいいんですが(実際は全然違いますけど)、最近の「いわゆる保守派」には全然シンパシーを感じません(笑)。私が愛着を感じる「日本人の美徳」を「いわゆる保守派」の方々にはまったく見出せません(笑)。

このあたりの話は、できれば今週中にまた別のエントリーをちょっと書きます。
Commented by mudaidesu at 2006-06-21 00:24

日本人の美徳。保守の道徳。
http://mudaimudai.exblog.jp/3211889
Commented by Kayo at 2006-07-29 21:26 x
タイミングを逃したといえば、「白バラの祈り」、気付いたら上映期間が過ぎていた大ばか者ですが、ドイツの反応なぞ。
大昔に本を買ったはずだけれど、どこに行ったんだろう。

http://www.dw-world.de/dw/article/
0,2144,1489347,00.html
http://www.dw-world.de/dw/article/
0,2144,783992,00.html
英語です。ドイツ語のページはBabelfish で試したけれど、機械翻訳ってまだまだダメですね、本当に。

World Socialist Web の報告。
http://www.wsws.org/articles/2005/mar2005/
ber3-m05_prn.shtml

あと、個人的な趣味ですが、7月のヒトラー暗殺計画
http://news.bbc.co.uk/2/hi/europe/3897885.stm
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/3909635.stm
ユンカー階級がドイツの温存を考えていただけだいう意見もありますが、確かこういう動きがイラクでも起きるだろうと1991年の湾岸戦争に時にアメリカは期待していた。

本来、エリートを自負される方々には、これだけの高潔さが求められて然るべきかと。


Commented by Kayo at 2006-07-29 23:00 x
あと、有名どころではカナリス海軍大将。
諜報のトップでありながら、反ナチに暗躍した人。
http://www.jewishvirtuallibrary.org/jsource/
Holocaust/canaris.html

こういう人にはこんな死に方をして欲しくない。
こういう犠牲は二度とあってはならない。

1933年のナチスの台頭早々から反ナチスの運動があったとか。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/europe/3908431.stm
、、、私には絶対に無理なので、サンタナヤのあの台詞を刻み込んでいくしかないですね。

歴史を忘れ去る者は、歴史を繰り返す定めにある、
となりますか

Those who do not remember the past are condemned to repeat it

フランス・アルジェリアを巡っては、あちらでも教育論争があった様子。2001年のル・モンド・ディプロマティーク(和訳です)
http://www.diplo.jp/articles01/0102.html
、、、気のせいか、聞いたことあるような状況?
Commented by Kayo at 2006-07-29 23:19 x
きゃぁ、訂正。
do not ×
cannnot が正しかった。ああ、健忘症が、、、
Commented by mudaidesu at 2006-08-03 11:45
ドイツ人の反応についての記事ありがとうございます。ドイツ社会の反応については興味あっても自分で調べたりはしないへタレな私ですし(笑)。

私としてはあの映画のエンディングが気になりました。って観てないんですよね(笑)。ネタバレやめときます(笑)。まあいい映画だとは思いますけど、ドイツ映画にはすごいのがいろいろありますからそれらと比べるとしょぼいですこの映画。いまさらそんなこと言うなよ、ですが(笑)。あくまで私の個人的な感想です。



で、興味深い記事いろいろありがとうございます。

>ヒトラー暗殺

さすがに「自虐」だけじゃもたない→誇れることもある→ヒトラーに反対した人たちもいた

って回路はどこかと微妙に違いますね(笑)。最初は似てますが。
Commented by mudaidesu at 2006-08-03 11:45
>クーデター・・・イラク

ろくでもない独裁者や体制を一部の人間によるクーデターで転覆させてマシになってうまくいった話って、実際のところどのくらいあるんでしょう?北朝鮮でもそうですが、安易にそういうのを期待しちゃったりしますがそもそもそういうことってどのくらいあるのかと。なんか思いつかないんですが(笑)。独裁者を倒して路線変更したクーデターすらも。ありましたっけ?


>フランス・アルジェリア

ルモンドの記事興味深かったです。第二次大戦戦勝国(一応)にも植民地問題の扱いにはそれなりに難しいとこありますよね。イギリス人やフランス人に文句言われたくないって日本人の気持ちもよくわかりますし。(気持ちはわかりますが、http://mudaimudai.exblog.jp/2759252のコメント欄で書いたように、戦後国際政治体制の現実はアレなんですが。)
Commented by mudaidesu at 2006-08-03 11:46
ただ私自身は植民地支配を肯定するようなこと言うヨーロッパ人とは一人も会ったことないんですよね。レイシストのアメリカ人にも会ったことないように。本音は知らないですけど。


>歴史教育

の影響ってどんなもんなんでしょうね。さっきも書きましたけど、私自身は不真面目だったんで中高でやった歴史なんて記憶ゼロなんですよねえ(笑)。
Commented by Kayo at 2006-08-04 23:09 x
>>歴史教育

>の影響ってどんなもんなんでしょうね

う~ん、ABCD包囲網とかハル・ノートとか、しっかり教科書には載っていましたが、とバリ右翼の知人に申しましたら愕然とされまして、ああ、教養って学校で教わった事を全て忘れた後に残るもの、って本当だな、と思いました。
試験終われば用ないし。大概。

私の場合、中学3年間を通じて一番印象に残っているのが、
南北戦争の教科書の記述を読み上げてから、「あ、それ、表向きの言い訳で本音は経済だからな、戦争ってのはそんなモノだ、忘れるなよ!」 と言い切った歴史の授業です。

植民地支配というのは難しいですね、本当に。確かに支配を擁護する人はまずいないでしょう。他方、固有文化を踏みにじったという問題にしても、カーストとか女子割礼とか、、、
フィリピン人の笑えないジョークがありますでしょう?
「修道院に300年、ハリウッドに50年、そして、、、」
当事者にしか分からない関係かもしれません。ヘタレなので、私。


Commented by Kayo at 2006-08-04 23:27 x
げ、意味不明な文章を又しても。
↑ の最後に
考えるのを避けています と続きます。

中学の指導要領をまるっきし無視した発言をしたのは担任の歴史教諭、でした。

>さすがに「自虐」だけじゃもたない→誇れることもある→ヒトラーに 反対した人たちもいた

でも、それって一部でしかなかったんだよ~、と暗くシュレーダーがダメ押しをしていたりする(BBCクリップの訳によれば)

ソプラノ歌手のシュワルツコフの訃報でも、ナチス党員だった、とかなり手厳しく書かれていますね。東ドイツとの統一で戦後の意識の違いが囁かれていましたが、ドイツ語分からない、と英語の記事
http://www.thewashingtonnote.com/archives/
000323.php

ワルトハイムの過去がバレた時も凄い騒ぎでしたね。





Commented by Kayo at 2006-08-04 23:40 x
国連安保理の中国が昔台湾だったはず、と言い張って笑われたり
(当時20位だったはずの人なので青春でそれどころではなかったかと思います)
ミュンヘン・オリンピックって、何かあったの? と聞かれたり
ザラですから、人間の記憶ほど当てにならないものはないですね。

クーデターでミイラ取りがミイラって
フランス革命とか「動物農場」の元ネタとか、一杯ありますね。
ピーターパンもそうかも。

7月の暗殺計画については米英共に酷い態度でしたから、イラク云々という安直な発言を聞いた時はぶっとびました。

「白バラの祈り」のラストについてのお心遣い、いたみいります。
、、、あれですよね、フランス革命で大活躍したアレ。心遣いのない映画評を先に読んでしまっていました、、、

監督自身も語っているように、こういう人が居たという事を知っても許されるんじゃないのか、そして、自分はどうなのか考えてね、という事でしょうか
DVDで観ます。
Commented by mudaidesu at 2006-08-07 21:29
またおそくなりました。すみません(笑)。

で、まあ私はほんと勉強全然しなかったんでなんにも覚えてないんですよねえ(笑)。


>中学3年間を通じて一番印象に残っているのが

歴史で覚えてるのはクロムウェルを「巨人にいた選手みたいな名前の人」って先生が言ってたのくらいですかねえ。「クロしか同じじゃねーじゃん」って思った記憶が(笑)。


>植民地支配・・・カーストとか女子割礼とか

日本で一部の人が言ってるように「野蛮人に文明を与えた」(そこまで露骨に言う論者はいないかな?)ってノリで正当化する言説ってどのくらいあるんでしょうヨーロッパでは。というか、100年前の「白人の重荷」的ノリそのままの言説は。

女子割礼についてはそこそこ文献読んだことあるんですが、いろいろキツイですよね。論点がいろいろありすぎて。というか、どんなエグイ映像とか話でも余裕な私なんですが、女子割礼や陰部封鎖の詳細な記述を読むだけで血の気がサーっと引いてきます。不思議なくらい。英語ならまだ大丈夫なんですが、日本語になるともう生々しくて。って、本質的な論点をスルーしたアホな感想ですが。
Commented by mudaidesu at 2006-08-07 21:31
The spectacle on Sunday of thousands of neo-Nazis marching to protest the 60th anniversary of the allied bombing of Dresden has left Germany's political class reeling. Chancellor Gerhard Schroeder is weighing banning the far-right National Democrats, while others express concerns about an emerging sense of German victimhood about World War II.


喰いつくところが違いますが、この部分だけでも興味深いですよね日本との違いが。アメリカによる空襲に対しての抗議デモやるのが極右。そして空襲に対する被害者意識の高まりがいまさら。

日本ならアメリカによる日本人の戦争被害に対する被害者意識ってのはずっと前から左派のものですよね。ほんとは右翼は忘れちゃいけないはずなのにほとんどスルー、というかほとんどの右翼は親米で体制派(自民党)ですからねえ。

ドイツのネオナチさんたちは反米(&反体制)ですよね。日本のレイシストさんたち親米。民族の誇りと恨みはどうしたと(笑)。
Commented by mudaidesu at 2006-08-07 21:32
まあ天皇さんが敵国(アメリカ)の軍門に下っちゃったから、戦後の右翼さんたちのツラさはよくわかってるんで同情すらしてるんですが私は。現在のレイシストさんたちの親米はまた微妙に違いますが。天皇なんてどうでもいいだろうし、戦後右翼の歴史的背景からは断絶してるでしょうし。


日本の場合、「反戦」の基盤は「原爆や空襲や沖縄等、日本人の戦争被害」ですよね。ドイツの場合はやっぱ「加害」になるんでしょうか?よくわかりません。「被害」についてはあまり語り継がれてないんでしょうかドイツでは?

50年代60年代あたりのドイツ映画には、空襲の場面がけっこうあったりするんですよね。もちろん下にいる人たちを描写してるんですが。被害者意識出しまくりの描写じゃなくて、ただ淡々と一つのシーンやエピソードとして描いてるだけですが。

というかやっぱ西ドイツの話なんでしょうかねこれは。対ナチスに関して東西の認識はたいして変わらないでしょうけど、その他のところは語り継がれた物語にしてもいろいろ違いそうですよね。
Commented by mudaidesu at 2006-08-07 21:37
>ナチス

よく言われますけど、↑の体制とかエスタブリッシュメントという視点からは、ナチスってアウトサイダーでしたよね。日本はバリバリの主流エスブリッシュメントエリートたちが戦争を主導したのと違って。日本の場合、戦前からそのまま温存されたエスタブリッシュメントが往生際悪いのはまあ当たり前なのかなあと(というか、完全に本音が復活しつつありますね)。ドイツはドイツなりにややこしいところもあるんでしょうけど。


>「白バラの祈り」のラストについてのお心遣い

実は今回の私の↑のコメントの内容はその「ラスト」の描き方にすごく関連してるような気がするんですよね(笑)。いやらしくてすみません(笑)。
Commented by mudaidesu at 2006-08-07 21:37
>あれですよね、フランス革命で大活躍したアレ。

いやいや、ソレじゃないです(笑)。というか、ソレだったらもう↑でネタバレしてるような(笑)。まあ全然たいしたネタじゃないし、さくっとスルーできちゃうようなネタなんで気にしないでください(笑)。というか、伏線があるからエンディングにアレをもってこないとオチがつかないってのもあるでしょうし。ただ今を生きる我々からするとどうよって気もしないでもなかったりというか日本でアレやったらシャレにならなそうだけどドイツ人はどうよと・・・ってだいぶ思わせぶりなこと言って変な先入観をコチョコチョと植えつけちゃってる私ですがすみません(笑)。


というか同じギロチンが出てくる映画なら、↑で紹介した「ダントン」の方が観ごたえがはるかにあるような(笑)。少々あつくるしいですが。ポーランド人巨匠によるフランス革命映画です。って、両方あんまり覚えてないんですが実は(笑)。というか、巨匠と若手を同列にってのもどうかと思いますが(笑)。
Commented by Kayo at 2006-08-11 12:12 x
ドイツのレジスタンスの興味深い点は、結構ナチスの党員や軍の高官が関わっている所ですよね。
そのせいか、あまり話題になっていなかったようです。

元共産圏の方から上の記事に出てくるような強硬派が出てくると、右翼と左翼ってどっちがどうだっけ?と困り果ててしまう。
ドレスデンの空襲は直後から論争を呼んでいたそうですが、ずっと鉄のカーテンの東側だったので、
最初に知ったのがヴォネガットの『スローターハウス5』 経由でした。
軍事目標として有効だったか否かについても未だに論争があるようです。
http://service.spiegel.de/cache/international/
0,1518,341239,00.html

>女子割礼については・・・
もう、こうなると文化の固有性の尊重について悩みに悩んでしまいます。辞書で読んだだけで食事が、、、すみません、こんな話題を出してしまって。
スカーフ論争などでも悩むのに、生死に関わるこういう風習に意見するのもある意味植民地的メンタリティが無いのか、つくづく悩んでしまって。
Commented by Kayo at 2006-08-11 12:51 x
ダントンと白バラ、今度ツタヤの宅配DVDリストに入れておきます。
ダントンというと旧版の中央公論社「世界の歴史」で際立ったキャラだったような微かな記憶が。
ロベスピエールに意地悪したり、気に入っていたので断頭台送りになった場面は心底悲しかった。

レイシストとは異なりますが、冷戦の最中、ソ連の団体さんとアメリカ人のグループが広島の平和記念公園でかち合った現場はマジで怖かった、、、(バイトでくっついていました)
お先に! プリーズ!! と愛想よく話しかけるソ連人。
アメリカンは、、、全員人相が変わって強張っていました。
ま、あの頃はビザ申請書でもナチス元党員と共産党党員(元も含めて)は同様に名乗り出なければならなかったから。
Commented by mudaidesu at 2006-08-12 01:20
>元共産圏の方から上の記事に出てくるような強硬派が出てくると、右翼と左翼ってどっちがどうだっけ

まあ経済状況などの社会不安とかありますしね。ただ、旧共産圏の体制なんて、今の日本のパラダイムからすると、みんな右翼体制と言っちゃっていいですよね。今の中国なんて特に。経済が自由化してるところなんてまさに。経済自由、政治統制、愛国万歳。


>ドレスデンの空襲

興味深いインタビュー記事どうもです。


>ヴォネガットの『スローターハウス5』

ところで、私はどうもこの人の小説に入り込めないんですよね(笑)。スローターハウスも全然覚えてないです。
Commented by mudaidesu at 2006-08-12 01:20
>風習に意見するのもある意味植民地的メンタリティ

このへんはほんと難しいですよね。このへんはおもいっきり単純化すると、リベラル系(国際政治系)とポストモダン系(地域研究系)の対立軸であったりようするな。私としては、西洋近代普遍主義万歳も嫌ですし、文化相対主義も微妙です。後者は抑圧の言い訳につかわれることが多いし。

そういえば、90年代に「Asian Value」についての論争があったようです。アジアでの人権問題について。「Asian Value」提唱者はマハティールやリークワンユーあたり。対して、金大中が「人権と民主主義は普遍的だ」みたいな論文発表したりしてたようです。フォーリン・アフェアーズあたりが論争の舞台だったような。
Commented by mudaidesu at 2006-08-12 01:21
で、とりあえずちょっと探したらこの二つが見つかりました。↓


A Conversation with Lee Kuan Yew
http://www.fareedzakaria.com/articles/other/culture.html

インタビュアーは他のところで名前を出したfareed zakaria。


Is Culture Destiny? The Myth of Asia's Anti-Democratic Values
http://www.foreignaffairs.org/19941101faresponse5158/kim-dae-jung/
is-culture-destiny-the-myth-of-asia-s-anti-democratic-values.html

こちらは金大中の論文。


このへんのは、フランシス・フクヤマの「歴史の終わり」とハンチントンの「文明の衝突」の議論の延長線上にある話かと。まあ90年代の国際政治上の議論の中心が「人権」だったのかなと。冷戦も終わったしってことで。人道介入問題も「人権」についてですし。人権、国家主権、文化が中心的な話題で、具体的には、イスラム原理主義やアジアンバリュー問題やら民族紛争問題やら民主化問題やらが語られたんでしょうか。


こういう文化と政治のネタになると、私自身、分裂しまくりで、時と場合と気分によって考えコロコロ変わっちゃいます(笑)。
Commented by mudaidesu at 2006-08-12 01:22
>ダントン

自分で言っといてなんですが、あんまり覚えてないんで、つまんなかったらすいません(笑)。

というか↑でも書きましたけど、ダントンはギロチン繋がりなだけで、白バラと一緒に語るなら同じドイツ映画の「ローザ・ルクセンブルク」がよかったような気がします。女性監督なんですが、この監督の他の作品もすごい。といっても、だいぶ前に観たんであんまり覚えてないですが(笑)。


>ダントン・・・際立ったキャラ

映画でも際立ってますよ(笑)。ドパルデューさんがしつこいくらい(笑)。
Commented by 村野瀬玲奈 at 2006-09-24 11:41 x
「白バラの祈り」のDVD、日本でついに出ました!!

http://www.amazon.co.jp/gp/product/B000GQMKI8/sr=8-1/qid=1159064579/ref=sr_1_1/250-2124097-9299424?ie=UTF8&s=gateway

ユリアタン萌えしているコレクターの方は、ドイツ語版↓も買いましょう。(笑)

http://www.amazon.de/Sophie-Scholl-letzten-Tage-Special/dp/B0007WL44M/sr=1-1/qid=1159065403/ref=pd_bowtega_1/303-2572209-4111438?ie=UTF8&s=dvd

新品、2枚組DVDで、6.95ユーロ??安い!(送料はかかるけど)

こちらは難聴者のためのドイツ語の字幕のみで、ほかの欧州各国語の字幕すらないですけど...。
Commented by mudaidesu at 2006-09-25 10:22
>ユリアタン萌えしている

してないしてない(笑)。てか、ユリアタンって・・・

てか、映画のDVDなんて数個しか持ってないですよ私は(笑)。欲しいのは無数にあるから、買い始めたらキリないし金ないし(笑)。
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