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エグイ文章を見つけた。


ホラーかよ、納涼かよ、ってかんじ。






The Rise of Japan's Thought Police


ワシントンポストに載った、Steven Clemonsって人の文章。the Japan Policy Research Instituteってのの設立者だとか。ウィキによると、「centrist American blogger」だとか。中道派のブロガー。って、ブロガー? 

いろんなシンクタンクに関わってきてるようで、素人じゃなくて専門家なのは間違いないようで。まあワシントンポストに文章が出るくらいだしね。the Japan Policy Research Instituteってのを設立するくらいだから日本の専門家かな。ランド研究所(有名な共和党系のシンクタンク)で日本研究に関わってたようだし。



で、訳。いつものようにガーっとなんで日本語あさしいけど堪忍。



日本の思想警察の増長


他の社会なら、それは政治マニア同士の、ちょっとした争いの一つで終わったような話かもしれない。しかし、日本(抱きしめることのできるようなナショナリズムを見つけるのにもがいている国)で、気合いの入った新聞の論説委員と権威ある外国政策シンクタンクの編集者の間の最近の言論戦争は、ちょっとした話じゃなくて、はるかによりアラーミング(僕:心配&切迫してる&危険信号を発してる、ってかんじかな)なものだった。それは、公人たちに対する右翼の脅迫キャンペーンの最新の攻撃で、言論の自由を押しつぶしていて、市民社会をおびやかしていて後退させるおそれがある。



8月12日に、ヨシヒサ・コモリ(ウルトラ保守派の産経新聞のワシントン駐在論説委員)が、マサル・タマモトによる記事を攻撃した(Commentaryという日本国際問題研究所によるオンラインジャーナルの編集者)。その記事は、反中国(僕:fear-mongeringがよくわからん)や日本の戦没者に敬意を表している神社への公式訪問に表れる、日本の声高な新しい「タカ派的ナショナリズム」の出現に対する懸念を表明していた。コモリはその文章を「反日」ときめつけ、その主流派の著者を「過激な左翼知識人」として攻撃した。



しかし、コモリはそこで止まらなかった。コモリは、靖国が第二次大戦の戦犯たちを称賛してるとする中国の抗議に逆らって靖国神社を毎年訪問する小泉純一郎首相に、あえて挑戦するように疑問を呈する著者を、税金を使って支援したことに対して、研究所の所長であるユキオ・サトウに謝罪を要求した。



注目すべきことに、サトウはそれに応じてしまった。24時間以内に、彼はCommentaryを閉鎖し、過去のすべてのコンテンツをサイトから消去してしまった。Commentaryは、日本の外交政策とナショナル・アイデンティティへの挑戦についての率直な議論の場でなければならない、というサトウ自身の声明すらも消してしまった。そしてまた、サトウは、許しを請い、Commentaryの編集管理の完全なるオーバーホールを約束する手紙を産経論説部に送った。



この降伏は息をのむほどのものだった。しかし、日本を襲ってしまった政治的な空気を考えると、それは驚くべきことじゃない。最近のナショナリズムの増大に励まされ、1930年代スタイル軍国主義、天皇崇拝、そして「思想統制」の復活にあこがれるような、過激な右翼活動家たちのますます攻撃的なグループは、メインストリームへ移動しはじめ、そして、彼らと同じような見解を持たない人々を攻撃しはじめた。



ちょうど先週、それらの過激派の一人が、今年、小泉の靖国訪問の決断を批判してきた、以前は首相候補でもあったコウイチ・カトウの実家を焼き払った。数年前、フジゼロックスchief executive でChairmanのヨウタロウ・「トニー」・コバヤシの自宅が、小泉は靖国訪問をやめるべきとの意見を表明した後、手製の焼夷弾のターゲットにされた。爆弾は処理されたが、コバヤシは死の脅迫を受けつづけた。その圧力は効果的だった。彼が率いる大きなビジネス団体は、小泉の中国に対するタカ派的姿勢と靖国訪問への批判を撤回した。そして、現在も、コバヤシはボディガードなしでは移動しない。



2003年、当時のDeputy Foreign Ministerのヒトシ・タナカは、自宅で時限爆弾を発見した。彼は、巷で北朝鮮に対して軟弱だと言われていたのでターゲットにされた。その後、保守派の東京都知事、シンタロー・イシハラがスピーチで「タナカは『自業自得』だ」と主張した。



「自由な思考が脅迫に遭遇する」またの事例は、国際的に尊敬されている慶応大学名誉教授のスミコ・イワオに関わるもの。去年の二月に、彼女が、日本の大多数は女系天皇を支持する準備ができてると示唆する記事を発表した後、右翼活動家たちは彼女を脅迫した。彼女は撤回を表明し、現在伝えられるところでは、うずくまっている(lying low)。



このような過激主義はraises disturbing echoes of the past(僕:過去をいや~なかんじで思い起こさせる、ってかんじかな)。1932年5月、日本のツヨシ・イヌカイ首相は、満州の主権は中国にあるとする彼の認識と、議会制民主主義の彼の頑強な擁護に反対した右翼活動家たちのグループに暗殺された。第二次大戦後、右翼の狂信者たちは主に影に潜んだが、時折、日本のナショナル・アイデンティティ、戦争責任または天皇制に関するようなセンシティブなトピックについて、veer too close (僕:うまく訳せない)したり、あまりに公然と発言する人々を脅迫してきた。



今日の右翼による脅迫について、何が危険信号を発して(alarming)て問題かというと、それが効果的だということと、そして、右翼を相互補完するようなもの(mutualism)がメディアに存在すること。産経のコモリは、最近の行為の犯人たちと直接の関係はない。しかし、彼の言葉が右翼たちを励ましているということを彼が知らないはずはない。そして、右翼たちの行動が、今度はコモリの言葉に恐怖たっぷりのパワーを与える。そして、彼らが議論を沈黙させるのを支援してる。さらに悪いことに、現在の日本の首相も、次の首相になりそうなシンゾウ・アベも、日本の代表的な穏健派たちの言論の自由を押さえつけようとする人々を非難する声明を、まったく出していない。



ほかにも多くの脅迫の事例がある。私は、何十人もの日本を代表する学者たち、ジャーナリストたち、そして政府の役人たちと、過去数日間話した。彼らの多くは、その会話や彼らの脅迫の事例を公にしないでくれ、と私に嘆願した。なぜなら、彼らは、右からの暴力や嫌がらせを恐れるから。一人の日本の代表的な政治コメンテーターは私に手紙を書いた。「私は、右翼たちが私の書くものを監視しているのを、私に更なる迷惑をかけようと待ち構えてるのを知ってる。私は、ただ、これらの人たちのために自分の時間とエネルギーを浪費したくない。」と。



日本はナショナリズムを必要としてる。しかし、必要なのは健全なナショナリズムであって、この国で最も輝く人々の多くの意見をぼんやり曇らせることを最近強制しているような、タカ派で声高なものではない。




文章の中身がどうこうってより、こういう文章がワシントンポストに載っちゃうってのは感慨深い?ね。


























で、この人のブログ↓。てか、いきなりこんなエントリーが。

The Return of "Thought Control" in Japan? (日本で「思想統制」復活?)


↑のワシントンポストの文章について。日本の状況はけっこうヤバイけど、大丈夫なところもあるよと。読売新聞の戦争責任特集とか。この特集を指揮したAkira Saitoはインターナショナリストで健全なナショナリズムを追求してる人だと。ついでに、問題の産経新聞が加藤紘一宅放火を批判したことも。でも、やっぱトレンドはヤバイと。



こんなのも。

Japan's Right-Wingers Out of Control (制御不能の日本の右翼)


右翼ってのはコモリさんたちのこと。この人は、コモリさんについてもタマモトさんについてもよく知ってると。タマモトさんとは知り合いで、もっともスマートな知識人かもと。日本国際問題研究所についても詳しいみたいで、このことについて書いてる。それで、譲歩しちゃダメだよと。



で、ワシントンポストの文章だけど、ヨシヒサ・コモリは古森義久さんね。当たり前だけど。


ちなみに、古森義久さんってこういう人→http://mudaimudai.exblog.jp/916754




で、2ちゃん等で見つけた古森さんの文章。自分で紙面をチェックしてないんで、本物かどうかは不明。追記:こちらにあった→JIIA問題サイト


日本発「公的な反日論文」  古森義久 産経新聞 (2006/08/12)


日本からの対外的な発信はますます重要となってきた。日本の実情を国際社会に向けて正確に説明し、あわせて意見をも明確に述べることは常に重要である。中国などから日本の現実とは異なる「軍国主義復活」というような非難が増すこのごろ、 日本からの正しい反論はまさに基本的な国益にかかわる不可欠な作業となる。

この点で外務省管轄下の日本国際問題研究所(JIIA)が今春から始めた英文での「JIIAコメンタリー」は時宜を得た発信だと思った。 ワシントン在勤の私のところにも電子メールで送信されるし、同研究所のウェブサイトで読むこともできる。そのコメンタリーは英語の論文の形で定期に発信される。

ところがその論文のいくつかを読んで、びっくり仰天した。日本の政府与党や多数派の考え方を危険として一方的に断罪し、 中国などの日本攻撃をそのまま正しいかのように位置づける論旨なのだ。

5月記載分の「日本はいかに中国を想像し、自国を見るか」という題の論文をみよう。冒頭に以下の記述がある。 「(外国の)日本ウオッチャーたちはますます日本の対中政策を愚かで挑発的、独善、不当だとみなし、中日関係の悪化を日本のせいだと非難している。 しかし日本国内では日本がナショナリスティックで軍国主義的でタカ派的だと(諸外国で)認識されていることへの意識がほとんどない」

ワシントンでの中国に詳しい日本ウオッチャーは大多数がいまの日中間の緊迫を「中国の対決的姿勢」や「日中両国の戦略利害の衝突」 「中国の反日の国是」に帰する。しかも同論文が述べる「日本を軍国主義的だとみる国際認識」など捏造(ねつぞう)である。

BBC放送の昨年末の国際世論調査では全世界33カ国のうち31カ国の国民が「世界に最もよい影響を与えている国」として日本を筆頭にあげた。 例外は中韓両国だけだった。日本国際問題研究所の対外発信はまったく事実に反する主張から出発するのだ。

同論文には以下の記述もある。

『中国は脅威だ。なぜならそれは中国だからだ』というのが日本の国家安全保障識者間の基本的な前提のようだ」「日本は過去の侵略に長年、 沈黙を保ってきたが、小泉首相の靖国への立場にも過去の帝国主義的侵略への反省欠如が指摘される」

いずれも事実に反する暴論といえよう。

この論文はいまの日本で多数派の意見といえる日本の安全保障面での「普通の国」らしい方向への動きを「タカ派的ナショナリスト」の危険な策動と断じ、 非難することが主眼となっている。その英語の文章は靖国神社の参拝支持を「靖国カルト」と評するような偏向言語に満ちている。

カルトとはオウム真理教のような狂信的宗教集団を意味する断罪言葉である。

同論文には日本の現実派の思考を「反歴史的想像」と呼び、戦後の日本国民の戦争観を「記憶喪失症」と断ずるなど、 全体として米欧の左派系や中国の日本たたきに頻繁に使われる扇情的、情緒的なののしり言葉があまりに多い。この点では「反日」と呼べる論文なのである。

元国連大使の外務官僚だった佐藤行雄氏を理事長とする日本国際問題研究所は日本政府の補助金で運営される公的機関である。 その対外発信は日本の政府や与党、さらには国民多数派の公式見解とみなされがちである。

この英文コメンタリーの論文は「筆者自身の見解」とされてはいるが、佐藤理事長は対外発信の意図を「日本自身や国際問題への日本の思考」を広く知らせることだと述べている。

この論文の筆者の名をみて、さらに仰天すると同時に、ある面、納得した。日本国際問題研究所の英文編集長の玉本偉氏だというのだ。玉本氏は在住の長い米国のその筋では知る人ぞ知る、日本政府の対外政策をたたいてきた過激な左派学者である。

2003年のワシントンでのセミナーで「北朝鮮の拉致問題というのはすでに解決ずみであり、日本側は対外強攻策の口実にしているだけだ」とか「日本の自衛隊はイラクに派遣されるべきでなく、また派遣は絶対に実現しない」などと断言するのを私もまのあたりに聞いた。

その玉本氏はいま日本国際問題研究所の対外発信の筆者だけでなく編集責任者だというのだ。

4月分の論文では麻生太郎外相らが中国の民主主義不在を批判することを取り上げ、「日本の民主主義発見」と題し、日本がいま対中外交で民主主義の価値を説くことを「発見」だとちゃかしていた。

現在の日本の外交や安保の根本を否定するような極端な意見の持ち主に日本の対外発信を任せる理由はなんなのか。

この一稿の結びを佐藤理事長への公開質問状としたい。


http://wdsturgeon.googlepages.com/sankeishimbunarticlebykomori





ちなみに、↑のワシントンポストの文章では、「コモリが謝罪を要求した」と訳したけど、「理由はなんなのか」「結びを公開質問状としたい」だから、「弁解を要求した」って方が適してるね。apologizeだから、どっちでもいいんだろうけど、古森さんの日本語の文章を知らない人がワシントンポストの文章を読んだ印象、ってかんじで訳したから、そのままで。



んで、日本国際問題研究所のサイト。↓

http://www.jiia.or.jp/



↑で絵のせたけど、Commentaryのページはこんなかんじ。↓

http://www.jiia.or.jp/en/commentary/



すごいね。なんか。事件勃発!ってかんじだね。






ちなみに、玉本さんの、「日本はいかに中国を想像し、自国を見るか」って論文はこれかな。↓


How Japan Imagines China and Sees Itself

http://wdsturgeon.googlepages.com/commentary%233

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全然たいしたことない文章だと思うけど。

普通に(または、この人から見た)日本の政治・社会状況を丁寧に紹介してるだけかと。

正論諸君!系(ようするに古森さん系)の人たちの傾向を多少暴露しちゃってる部分もあるけどさ。東京裁判否定とか、南京虐殺否定とか。タカ派的ナショナリストのこういう系の論調も、アメリカが歓迎する「普通の国」路線にはついて来ちゃうかもしれない、ってかんじで。タカ派的ナショナリストの台頭の背景をちょっと説明してたり。

わかりやすいし丁寧だから、現代日本を勉強する学生なんかが最初に読むのにちょうどいいかんじでしょ。




日本国際問題研究所の組織・財源。↓


日本国際問題研究所(JIIA)は、中・長期的視野にたって国際問題を研究することを主たる目的とした総合的な国際問題研究機関です。

その活動範囲は国際関係・外交問題の基礎研究および外交政策企画立案のための国際情勢の調査研究を中心に、外国研究機関との研究交流・共同研究、外国研究員の招聘、国際シンポジウム・セミナー・講演会などの開催、資料の収集、広範な出版活動など多岐にわたっています。

これらは、当研究所の設立趣意書に規定されている、

(1) 国際政治・経済、国際法の諸科学の発展を図り、
(2) 国際問題の調査研究のための諸手段を設け、
(3) 国際問題の情報・知識・思想の交換を促進し、
(4) 全国の大学を通じて国際問題に関する研究を奨励し、
(5) 海外の諸大学・研究機関との交流を図る、
の5つの方針に基づき、これを一貫して拡大、発展させたものです。

・・・・


当研究所の設立にあたっては、故吉田茂元首相が大きなイニシアチブを発揮しました。

第二次世界大戦後、日本が国際社会と調和を図りつつ生きていくためには、国際問題に関する研究を深め、知識の普及を図り、また諸外国との交流を活発化させていくことが必須条件でした。

このことを痛感した故吉田元首相は、1959年(昭和34年)12月に当研究所を設立し、自ら初代会長に就任されました。

翌1960年9月には外務省所管の財団法人として認可され、1976年からは解散した社団法人・欧ア協会の業務をも継承しました。

以来、わが国の中核的な国際問題研究機関として発展を遂げ、その活動の成果は、国の内外において高く評価されるに至っています。

・・・・

財源は政府からの補助金、会員からの会費収入および出版物収入を主体とする事業収入からなっています。また、故鹿島守之助氏、故松下幸之助氏、故湧永儀助氏およびアンバサダー国際文化交流財団の拠出金による4つの基金が設けられています。また、当研究所の調査研究活動は、これら事業活動費により賄われているほか、外部の公的ないし民間機関からの特別の委託や助成によるものも数多くあります。


http://www.jiia.or.jp/brief/j-intro.php#soshiki



研究機関なんだから、それなりに自由な議論・言論が保障されてなきゃ、話にならんでしょ。政府からの補助金程度で、あんな過剰反応してどーすんのかと。「日本政府のプロパガンダ機関」じゃないのならさ。

というか、玉本さんの文章が多少批判的というか懸念的してるのは、日本政府に対してというより、古森さん系のタカ派的ナショナリストの台頭についてでしょう。というか、古森さん系こそがいまや「日本政府」なのか?安倍さんが次期首相だし。


あの程度で、


24時間以内に、彼はCommentaryを閉鎖し、過去のすべてのコンテンツをサイトから消去してしまった。Commentaryは、日本の外交政策とナショナル・アイデンティティへの挑戦についての率直な議論の場でなければならない、という彼自身の声明すらも消してしまった。そしてまた、サトウは、許しを請い、Commentaryの編集管理の完全なるオーバーホールを約束する手紙を産経論説部で送った。



って、異常事態でしょう。


オンライン・ジャーナルの全部を「TEMPORARILY SUSPENDED」って。

シロウトにはわからん世界なんだけど、どうなん?これってアリなん?



古森さんの文章みたいなノリなんて、本屋に行けばゴロゴロしてるからいまさらだし、というか、だいぶ穏当な部類だけど、保守論壇に言いたいことは「靖国問題について」でちょっと書いたとおりなんだけど、産経新聞に載ったくらいで、なんでこんなに過剰反応すんのよ?スルーすりゃいいじゃん、と思う僕はシロウトすぎるんでしょうか。

というか、日本の保守穏健派はへタレすぎかと。

って思うのは、これまたシロウトすぎなんでしょうか。




つづき↓

靖国とかアメリカとか
続 エグイ文章を見つけた。産経&JIIA問題。
玉本産経古森日本国際問題研究所 3
by mudaidesu | 2006-08-27 18:56 | ナショナリズム


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