でしょうか? 今年、宮台真司がしつこいくらい「セカイ系」について語ってた。 主人公の成長物語という構造を共有しつつ、対照的に駄目な──同一理由で駄目な──アニメもある。宮崎吾郎監督『ゲド戦記』(06)と千明孝一監督『ブレイブ・ストーリー』(06)。同一理由とは、自己回復が世界回復に直結する「セカイ系」であることだ。 「自分の謎」を「世界の謎」と等置する作品を今日「セカイ系」と呼ぶ。世界が自意識の内側で閉じ、「世界がセカイに過ぎない」からだ。前回、アニメ版『ゲド戦記』が、「世の摂理は人知を越える」ことを描く原作とは似つかぬ、セカイ系であるのを批判した。 宮台 小説の世界では二〇〇〇年紀に入るころからライトノベルズとりわけセカイ系が隆盛です。ライトノベルズはかつてのジュヴナイルの等価物としての側面もあるけど、内容的には九六年に流行った『エヴァンゲリオン』の碇シンジのような主人公を描きます。自分が救済されるとなぜか世界の秩序も復元する。「自分の謎」と「世界の謎」が等置されるという内容です。ちなみにアニメ版の『ブレイブ・ストーリー』も『ゲド戦記』もそう。これをセカイ系と言います。不完全な主人公が自己承認に到ると、世界も秩序を回復する。 僕の考えではセカイ系につながる流れは松本零士さんから生まれました。先ほど紹介した「SF同好会からアニメ同好会へ」ないし「原新人類から後期新人類へ」という世代展開と結びつく話です。『サブカルチャー神話解体』にもサワリを書きました。僕ら原新人類世代にとって、アニメやマンガの表現や享受は、「社会の中での自分の立ち位置をどう組み込むか」ということでした。アニメやマンガを見た後に現実の手触りが違って感じられる作品こそが、高く評価されたのです。 宮台さんの言う「セカイ系」がどういうものかだいたいイメージできるけど、宮台さんほどこの手のサブカルに詳しくないんで、ちゃんと理解してるかどうか自信ない。 で、宮台さんはこの「セカイ系」ネタを「不安のポリティックス」「不安のポピュリズム」の話に繋げるわけだけど、そのへんの感覚はなんとなく理解できるような気がする。 で、ふと思ったのは、宮台さんが「セカイ系」に対して感じる違和感と似たような感覚を僕が抱いてたあるネタがある。"アレ"。 ●「現実の出来事」に嫌な気分になる(="世界の謎(問題)"に直面し、"自分の謎(問題)"を見つける)。 ●あることのおかげで嫌な気分がすっ飛ぶ(="自分の謎(問題)"が解決する)。 ●「現実」はまったく変わってないのに、自分の気分が晴れるとそれで現実の問題も解消されたかのよう(="自分の謎"の解決が"世界の謎"の解決を意味する)。 で、"アレ"に似てるなと思った"アレ"とはコレ↓。 http://mudaimudai.exblog.jp/2759252/ てか、青っ。というか、半年とか前のってなんかもう全然ダメね。一年前とかなるともう恥ずかしくて読むに堪えない。別に考えとかはたいして変わってないんだけど、どうも違和感がある。今だったら一つ一つをもう少し違ったかんじで表現するような気がしないでもない。とは言っても、別に最近のが「青く」ないわけではない。青さは変わらないのに、なんか不思議。 それはともかく、読み直してみたら、なんだかだいぶわかりづらいね。 ま、ようするに「オオニシ=反日=朝日=NYT」についての話ね。 ●「世界一有名な新聞の嫌な記事が世界中に出回ること」に嫌な気分になる。 ●「オオニシ=反日=朝日=NYT」を発見or指摘することによって嫌な気分がすっ飛び安心する。 ●それでも「世界一有名な新聞の嫌な記事が世界中に出回ること」という「現実(世界)」はまったく変わってないし、その「現実」に対してなんの影響も与えていないのに、自分の気分が晴れるとそれで現実の問題も解消されたかのよう。 自分の中だけではなく他者にも関わることをしているのだけど、当時なんだかなーと思ったのは、「オオニシ記事」について「こういう記事が出たそうです」みたいなブログ・エントリーを書いた人たちに、「オオニシ 朝日」で検索してみるとわかります、みたいな親切なコメントを残してる方々をちらほら見かけた。 内輪だけに通じる回路でも内輪だけで満足してるのなら、まあ人の勝手だわなと思うのだけど、外にもその回路でオッケーみたいなノリには少々びっくらこいた。内輪ではその回路を繋げば問題は解決するのだろうけど、外はそうじゃないのではと。 それはともかく、ただ、こういう「処理」って、多かれ少なかれみんなやってたりするのではとも思う。たしかに、誰にでもこういう処理をして安心したいという欲求はあったり。そういう処理を重ねて、人は現実と折り合いをつけて生きていくものなのかもしれないけど。 自覚の問題でしょうか。どの程度、自分でやってるその処理を自覚できてるかどうかかな?
by mudaidesu
| 2006-12-26 23:48
| ナショナリズム
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