明治という国家
司馬遼太郎 つまり私は戦車の中で敗戦をむかえ、「なんと真に愛国的でない、ばかな、不正真な、およそ国というものを大切にしない高官たちがいたものだろう。江戸期末や、明治国家をつくった人達は、まさかこんな連中ではなかっただろう」というのが、骨身にきしむような痛みとともにおこった思いでありました。 「いわでものことながら、人種論ほど滑稽で有害で低俗なものはなく、なんの科学的根拠ももっていない。・・・・。『人間というのは、いつも他者を誤解したくてうずうずしているのです。』p309 しかし、「つまり明治国家がいまの日本人の私物ではないと考えるほうが・・・私の気分をくっきりさせる。明治国家を人類とくにモンゴロイド家の遺産として世界という財団のミュージアムに寄付したいという気分の中からこれらの各章を語ったつもりなのである。」
by mudaidesu
| 2005-08-06 16:43
| 本
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